Page 2 / 2 1ページ目から読む
小嶋千夏(TOWER VINYL)のマイ・ベスト・レコード
Steve Gunn『The Unseen In Between』

1月のリリース時点で今年のベスト決まっちゃったなと直感しましたが、揺るぎませんでした! インディー・フォークのキーパーソン、スティーヴ・ガンのマタドール2作目です。彼の只者じゃなさをお伝えするとなれば、大御所マイケル・チャップマンの新作プロデュースや、海外での再評価が著しい金延幸子さんとの共演など堅実なトピックが多々ありますが、ともあれオープン・チューニングで鳴らされるギターの音がハチャメチャに好みなので、それに尽きますね。職人技が光る弾き語り曲での臨場感や、盟友カート・ヴァイルに伍すサイケな音像がなんともアナログ映えします。ジャケットも満点! 我が家のモノクロジャケ棚にお気に入りがひとつ増えました。

 

知念達也(TOWER VINYL)のマイ・ベスト・レコード
Billie Eilish『When We All Fall Asleep, Where Do We Go? (Glow In The Dark Vinyl)』

2019年3月、星野源『POP VIRUS』と同週にリリースされ、前年発売のトム・ミッシュ『Geography』等と共に、同じく3月にオープンしたばかりの我らが〈TOWER VINYL〉の売り上げ面を長く大きく支えてくれた一枚ということで、こちら。リリース以降は街中やTVなどで大ヒット曲“bad guy”を聴かない日はなかったというくらい、老若男女・国内海外問わず多くのリスナーへ浸透していった楽曲。また〈今〉の時代の気分を象徴するような気怠げウィスパー唱法や、そのユニークなキャラクター(弱冠17歳!)も含めて、2019年という年を思い返すたびに浮かぶ顔とジャケットだと思います。

 

天野龍太郎(Mikiki編集部)のマイ・ベスト・レコード
川本真琴『新しい友達』

なんだかんだいって、今年もレコードをけっこう買いました。でも僕にとって2019年は、特集もがっつりと組ませていただいた川本真琴さんの新作『新しい友達』の年。なので、マイ・ベスト・レコードも当然こちらになります。

『新しい友達』はCDとレコードで発売されていて、さらに関連してカセットテープ『18才』7インチ・シングル“新しい友達II”まで出ている、というファン泣かせ……いや、歓喜のリリース(もちろん、すべて手に入れました)なのですが、なかでもおすすめしたいのはLPです。というのも、A面とB面の最後にレコードでしか聴けないささやかな小品2曲(フルート三重奏の“花と緑”とピアノ二重奏の“うさぎ”)が収められているから。あと、『新しい友達』は人間味あふれる演奏が聴きどころなので、アナログの音で聴くとじんわり沁みるんですよね。レコードで、大きい音で聴くと、いままで気づかなかった音も聴こえてきます。川本さんらしい不思議すぎるジャケット写真も、ぜひLPサイズで見て!

 


INFORMATION
TOWER VINYL SHINJUKU

東京都新宿区新宿3-37-1 フラッグス10F
営業時間:11:00~23:00
定休日:不定休(フラッグスの休業日に準じる)
電話番号:03-5360-7811