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②ドミノ倒しで浮かび上がる、フランク・オーシャンとの共通点

どこか危険な香りのする男女ツイン・ヴォーカル……といえば、キルズを思い出す読者も少なくないはず。事実、ソーリーが所属するドミノ・レコーズはそのキルズやアークティック・モンキーズらを擁するロンドンの最重要レーベルのひとつ。だが、契約の決め手は〈(サンディ)アレックス・Gの名前があったから〉とアーシャは断言している。6月に初来日を控えるアレックス・Gもまた、ベッドルーム・レコーディングで大量の音源をセルフ・リリースしながらキャリアを築いてきたアーティストだが(2018年のUKツアーではソーリーとも共演)、SNSに現を抜かすのではなく、純粋に音楽だけで勝負する――そんな愚直さに彼らも惹かれていたのだろう。

ちなみに、ソーリーのシングル“Showgirl”(2018年)などいくつかの楽曲では、フランク・オーシャンとのコラボでも知られるショーン・オークリーを迎えている。アレックス・Gがフランクの『Blonde』(2016年)とその後のツアーに参加したことは有名だが、2017年にフランクがヘッドライナーを務めたスウェーデンの〈ウェイ・アウト・ウエスト・フェスティヴァル〉においては、オーケストラの一員としてソーリーの盟友でもあるゴート・ガールのメンバーも演奏に加わっており、ロンドン・アンダーグラウンドのシーンが緩やかに〈フランク・オーシャン周辺〉と結びついていることは興味深い。

フランク・オーシャンの〈ウェイ・アウト・ウエスト・フェスティヴァル〉でのライブ映像