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2. India Jordan “I’m Waiting (Just 4 U)”

天野「2位はインディア・ジョーダンの新曲“I’m Waiting (Just 4 U)。ジョーダンは英ヨークシャーのドンカスター出身で、現在はロンドンが拠点のDJ/プロデューサーですね。この曲は、アップリフティングな4つ打ちのビートと煌びやかなシンセサイザー、絶妙な声ネタが超アゲアゲ。まさにフロア・バンガ―ですね!」

田中「最高です! 個人的にはフォンテインズD.C.と同率で1位! ジョーダンのキャリアはちょっとユニークで、もともとはプロデューサーのデッドボーイ(Deadboy)と〈Ambient Social〉というイベントを運営、さらにニュー・アトランティス(New Atlantis)というアンビエント/ニューエイジ系のレーベルを主宰していたんです。2018年にはFACT Magazineに〈The best ambient of 2018〉という記事を寄稿しています」

天野「心地いいアンビエントとフルスロットルのクラブ・トラックの両方が好きだ、なんて公言しているみたいですね。2019年からは、ドーン・リチャード(Dawn Richard)などの作品をリリースしていることで知られるローカル・アクション(Local Action)で曲を発表していて、フロア向けのサウンドに注力している印象。2019年のEP『DNT STP MY LV』に収録された“DN4”は、多くのエレクトロニック・ミュージック系メディアでベスト・トラックのひとつに選出されていました」

田中「この“I’m Waiting (Just 4 U)”は5月20日(水)にリリースされるEP『For You』からのリード・シングルなんですが、ひとつ前に発表されていた表題曲も含めて、これまで以上にオールドスクールなレイヴやテクノ/ハウスに傾倒したサウンドになっていますよね。今年に入ってから口癖のように〈レイヴに行きて~〉と漏らしていた天野くんが盛り上がるのもわかりますよ」

天野「そうなんですよ。コロナ禍以前は毎週末、意気揚々とオフィスからクラブに繰り出していた亮太さんならわかってくれると思いますけど。ちなみに、同じくロンドンで活動するDJのLCYとジョーダンが対談したRed Bullの記事では、彼女の地元でのレイヴ体験などが語られています。男性でも女性でもないノンバイナリーを自認するジョーダンがカミングアウトの経験についても明かした読み応えのある記事なので、この曲で興味を持った人はぜひ読んでみて!」