〈Kan Sanoさんの曲〉
――それから、この曲調にしてこの日本語の曲名のインパクトですよね。それについても訊いておきたいなと。
五十嵐「レコーディングの時点ではまだ決まってなかったんですよね。だからメンバーとKanさんで〈こういうのどうですか?〉ってお話ししてたんですよ。〈時間だよ〉はともちぃが言ったんだっけ?」
宇野「Kanさんが〈曲名から想像できない感じがいい〉とおっしゃっていて。で、サビの〈it's time, time〉を和訳して〈時間だよ〉って言ったら、いいねっていう感じになって」
Sano「短くて覚えやすいのがいいなと思っていて。友恵さんがボソッと〈時間だよ〉と言ったのがすごい印象に残ったんですよね。東京に戻ってからもずっと考えてたんですけど、これがいいなと。英語じゃなくて日本語にしたいというのもあったので」
宇野「関われて嬉しいです」
五十嵐「私は〈Kan Sanoさんの曲〉ってタイトルを提案したんですけど、それはダメでした」
Sano「斬新（笑）」
五十嵐「その場の反応はよかったので手応えありと思ったんですけどね。ボツでした!」
佐藤「アルバムの並びでその曲名があったらなんかのミスかなって思われるかもしれない（笑）」
五十嵐「なにかの機会に使ってください」
Sano「それも面白いですね（笑）。曲のタイトルってみんなで決めたりするんですか?」
横山「決めないですね。あのとき、メンバーのなかでは他愛のない会話っていう認識だったので、本当に“時間だよ”がタイトルに反映されたのを知ったときはびっくりしました」
宇野「ライブで実郁ちゃんがかわいく〈時間だよ〉って曲振りをしてイントロが始まったらギャップがすごいよね」
佐藤「サイコパス感があるね」
Sano「あはは（笑）。たしかにMCの会話からうまく曲繋ぎに使えそうですよね」
佐藤「たしかに。絶対会話で繋げるようにしよう」
――Sanoさんは初のアイドル・ソングを書かれた感想はいかがですか。
Sano「もちろん僕も気に入ってます。みんなのキャラクターありきの曲に仕上がってると思いますし、最初にどういう曲を作ろうか迷ったという話をしましたけど、最終的には自分が歌ってもしっくりくる歌にしたいとちょっと思っていて、そういう歌にもなったと思います」
一同「ありがとうございます!」
シーンにおいては独自の立ち位置、だからこそのアルバム
――最後にメンバーからSanoさんに訊いてみたいことなどはありますか?
横山「全然関係ないかもしれないんですけど、ピアノを独学で学んだとおっしゃっていたじゃないですか。あとKanさんのインタビュー記事を読ませていただいたら、〈基本的にはどこにも属さない〉というお話をされていたと思うんです。そういうことって不安にならないのかなと思って。私は見本を求めちゃうタイプなので、気になっていたんです」
Sano「ああ、どうでしょうね。昔からなにかを作るときに人と違うことをしたいとか、自分にしかできないことをやりたいという思いが強くて。オリジナルなものを作るっていうのは孤独な行為だと思うんですよ。チャレンジが失敗したら全部自分に降りかかってくるし。ただ、僕はそのほうが楽というのはあるのかもしれないです。でも、いまはorigami PRODUCTIONSというところに所属して6年くらい経つんですけど、レーベルにいる居心地のよさも感じてますよ。ずっと居場所がないと思ってやってきたんですけど、そういう場があるのはいいなと思います」
横山「Kanさんの姿勢を見習いたいなと思います」
――RYUTistはアイドルの友達が極端に少ないので、特に自らその道を選んだわけでもないけど孤独なんですよね（笑）。
宇野「たしかに!」
Sano「そうなんですか? ステージ裏で〈久しぶり!〉みたいなことがないってことなんですか?」
一同「ないです」
五十嵐「リアルに孤独（笑）」
Sano「だからこそのメンバー同士の仲の良さなんですかね?」
佐藤「それはあると思います。ほかにいないから……」
横山「消去法で仲良くなってるみたいな言いかたやめて（笑）」
――友達の多寡はともかくとして（笑）、シーンにおいては独自の立ち位置なのかなとは思います。だからこそこういうアルバムになっていると思いますし。
Sano「いや、今回のアルバムはすごいプロデュース陣じゃないですか。僕も混ぜていただいて光栄です」
一同「ありがとうございます!」
横山「私たちも曲の制作を通して、新しく素敵な音楽に触れることができて幸せです。KanさんからRYUTistを知っていただけたら嬉しいし、逆に “時間だよ”でKanさんの曲がかっこいいなって知っていただけたら嬉しいです」
