Page 2 / 2 1ページ目から読む

1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「出身地は群馬県で現在も高崎市に住んでいます。ちょっとだけエレクトーンを習ったこともあり、バンドでキーボードやベースを担当してました。また、テクノが好きだったので、シンセ買ってトラックのようなものを作ったり、テクノのパーティー行ったり、たまにDJをしたりしていました

本格的に活動を始めたのは、SNSが定着して、SoundCloudなどで自分の曲を発信できるようになった頃からです。この時期に様々なネットレーベルが新しい音楽を発信していて、そこに曲を送るようになり、リリースを通じて、レーベルオーナーやレーベルメイトのミュージシャンと知り合いになったり、コンピに参加させてもらうなどして活動が広がり、今に至る感じです」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

「まず、音楽を始めるキッカケを作ったアーティストは、〈坂本龍一〉。

現在までの制作や曲調に影響を与えたのは、〈SILENT POETS〉。

他に影響を与えた、よく聴いていたというと、UR(アンダーグラウンド・レジスタンス)やデリック・メイなどのデトロイトテクノ勢、ジャズでいうと、ファラオ・サンダースドナルド・バード。あとルーツダブ関係でしょうか。色々ありすぎて書ききれません(汗)。

別の機会があればそれだけで話がしたいです。(企画してください!!!!)

坂本龍一 “千のナイフ”(人生の中のオールタイムベスト。何度聴いても飽きない)」

SILENT POETS “Distant Memory”(最近活動再開して涙。どの曲も悲しさと美しさを感じさせて本当に影響を受けました)」

「自分のトラックで、“A Tribute to PMD”はSILENT POETSへのトリビュートになってます」 

アンダーグラウンド・レジスタンス “Jupiter Jazz”」 

ファラオ・サンダース “Thembi”(これも人生のオールタイムベスト)」

スライ&ロビー “Dream of Dub”」 

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“I wanna be”

「それほど大きなコンセプトをもって作り始めた訳でなく、レイドバックしたチルい感じにしたいなあと思って作ったトラックです。自分の制作においては、複数のジャンルを横断する、混ぜ合わせる、美味しいところを取り入れるというコンセプトを常に意識してしており、このトラックも昔のソウル、レア・グルーヴ的なウワモノに、現代のトラップのビートを乗せるというコンセプトを持っていました。あと、自然と手癖でアンビエント感のあるフレーズやダブ処理を入れるみたいで、このトラックでも中盤のブリッジで反映されていますね。

あと、語弊があるかもしれませんが、自分はミュージシャンでなく、まずは、ひとりのリスナーとして〈こんな曲があるといいな、聴きたいな〉という気持ちでいつも音を発信しています」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

「まずはharuru犬love dog天使さんで、これまでに数曲ビートを提供させていただきましたが、メロディーセンスが素晴らしい! 心に刺さるメロやフロウを聴かせて凄いなあと。彼女した出せない世界観があって、本当の意味でアーティスト、表現者だと思います」

「あと、Caro kissaのお二人。最近もコラボ曲をリリースさせていただきました! sunachuさんの凛として、最近は艶やかさも出てきた多彩なボーカルと、takahiroさんのプロデュース力の高さとプレイヤーとしての技量。彼のギターとベースプレイは注目してます。また2人とはコラボしたいですね」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

「昨年リリースされたTAMTAMのKuroさんのアルバム『JUST SAYING HI』を最近聴きましたが、素晴らしかったです! 表情豊かなボーカルとコーラスワーク、参加したトラックメイカーのバックトラックも多彩で、自分でもこういう作品を作りたいです」

「他には、ちょっと前にリイシューされたヤビー・ユーキング・タビーの『Walls of Jerusalem (With Unreleased Mixes and Studio Outtakes)』というアルバムを買いましたけど、最高でリピートしてます」

「あと、今更ながらクルアンビンを聴いてハマりました。見た目がサイケバンドだったので敬遠してましたが、あまりにもよく見かけるので聴いたら、久々に〈なんだこりゃ?〉という衝撃を受けたサウンドでした。ギターワーク最高!」

「最後にこちらもスリーピース・バンドですが、台湾のElephant Gymのサウンドもスリリングでハマりました。特にベースの女の子がタッピングを多用していてカッコ良い! 最近新しい音を見つけるのが下手になったので、誰か色々教えてください」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「10月14日に、Lo-Fi Hip-Hopをベースに自分なりの解釈を加えたビート集のアルバムをリリースします。また、とりあえず来年の冬が明ける頃まではほぼ毎週シングルのリリースがありますのでチェックしてください。今はまず多くの人に、自分を知ってもらうため、定期的なリリースを続けてみようと思っています。

また今後はもっと積極的にコラボを行いたいと思っていて、自分のビートは結構女性シンガー・ラッパーと相性が良いみたいなので、興味のある方は是非お気軽にお声掛けいただけると嬉しいです(ここ凄く強調してください! 本当に待ってます!)。

他には、リスニング向けのリリースが中心であったため、もう少しダンス・オリエンテッドなトラックも並行してリリースしたいなと。特に4つ打ち、フロアで使えるテックハウス系のトラックなども作りたいです。

あとは、コロナなどの問題もありますが、機会があったらDJもやりたいです。ジャンルを広く横断するような選曲で」

 

Dubb Paradeのアーティストとしての姿勢もさることながら、一人の音楽好きのリスナーとしての顔が見えてくる回答で、とても興味深い内容でした。彼が作るトラックはジャンル横断的ですが、坂本龍一とSILENT POETSから影響を受けていることからわかるように、その根底には清らかさや神秘性を秘めているのでは。

今回の記事を読んでコラボしたいと思ったシンガーやラッパーの方は、ぜひDubb Paradeに連絡してみてはいかがでしょうか? 素晴らしいコラボを実現させてほしいです!