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1. Wizkid “No Stress”
Song Of The Week

天野「〈SOTW〉はウィズキッドのニュー・シングル“No Stress”です! これは激クール!!」

田中「ウィズキッドは大スターなので説明不要かもしれませんが、連載初登場なので解説しておきましょう。ナイジェリアのラゴス出身のミュージシャンで、新興ジャンル〈アフロビーツ〉の旗手として知られています」

天野「アフロビーツはフェラ・クティの〈アフロビート〉とはまた異なる音楽のスタイルなので、注意してくださいね。ダンスホール・レゲエやR&B、ヒップホップからの影響が色濃いポップ/ダンス・ミュージックで、ナイジェリアやガーナなどの西アフリカと英国で発展した音楽です。〈アフロ・ポップ(Afro-pop)〉や〈アフロ・フュージョン(Afro-fusion)〉とも呼ばれていますね。僕はここ数年、アフロビーツが大好きで、〈アフロビーツを知るための10曲〉という記事のアイデアを温めています」

田中「今年はバーナ・ボーイ(Burna Boy)『Twice As Tall』や、新進気鋭のファイアボーイ・DML(Fireboy DML)『APOLLO』など、アフロビーツの話題作が国際的な注目を集めていますね。そんな下地を作ったのも、ウィズキッドの功績と言っていいかもしれません。彼が欧米圏で一躍知られるようになったきっかけは、ドレイクにフィーチャーされた“One Dance”(2016年)。ヒット・ソングなので、聴いたことのある方も多いのでは?」

天野「ウィズキッドは、アフリカ国外のスターたちとたくさん共演しているんですよね。セカンド・アルバム『Ayo』(2014年)にはエイコンやワーレイが参加していますし。傑作なので、ぜひ聴いてみてください!」

田中「そのようにアフロビーツが盛り上がっている状況で、ついにウィズキッドが3年ぶりの新作『Made In Lagos』を10月15日(金)にリリースします。“No Stress”はそこからのシングルですね」

天野7月に発表されたH.E.R.との共演曲“Smile”も最高だったのですが、あの曲は思いっきりレゲエでした。今回はストレートなアフロビーツです。プロデューサーはサウス・ロンドンのP2J。バーナ・ボーイとの仕事で知られていますが、マーク・ロンソン『Late Night Feelings』、ビヨンセ『The Lion King: The Gift』、ゴリラズ“Aries”など、メインストリームの仕事もたくさんこなしています。ちょっとダークですが、研ぎ澄まされた心地いいサウンドで、ウィズキッドの個性と才能が伝わってくる最高の曲ですね。『Made In Lagos』がすごく楽しみです!」