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2. Stevie Wonder feat. Rapsody, Cordae, Chika & Busta Rhymes “Can’t Put It In The Hands Of Fate”

田中「今週の2位は、スティーヴィー・ワンダーの “Can’t Put It In The Hands Of Fate”! 同じタイミングで“Where Is Our Love Song”という楽曲も公開されました。4年ぶりの新曲ということで大変な話題となっていますね!」

天野「ギタリストのゲイリー・クラーク・ジュニア(Gary Clark Jr.)をフィーチャーした“Where Is Our Love Song”が、どちらかといえばメロウな楽曲なのに対して、この“Can’t Put It In The Hands Of Fate”はよりダンサブルなサウンド。冒頭から登場する軽快なパーカッションと、まさに〈スティーヴィー・ワンダー印〉と言うべきハーモニカのメロディーが印象的です。こちらでは、ラプソディ、コーデイ、チカ、バスタ・ライムスという4人のラッパーをフィーチャー。マイク・リレーにも痺れますね」

田中「一応ゲスト陣をソロ・パート順に説明しておきますと、まずラプソディはノースカロライナ州スノーヒル出身、溌溂としたフロウとコンシャスかつポリティカル名リリックが魅力的なラッパー。そして、以前〈YBN・コーディ〉という名前だったコーディは、今年の夏にYBNコレクティヴが解散したので、いまはステージ・ネームから〈YBN〉を取って活動しています。リリシストとしての才能が非常に高く評価されていて、2019年にリリースしたアルバム『The Lost Boy』は、第62回グラミー賞にノミネートされました」

天野「2人とも〈PSN〉の常連ですね。次のチカは、連載初登場。ナイジェリア系アメリカ人で、昨年ジョジョの“Sabotage”に参加したことで脚光を浴びました。今年は若手ラッパーの登竜門〈XXL Freshman Class〉にも選出されていましたし、ブレイク必至! 最後のバスタ・ライムズは説明不要でしょう。野太い声を特徴に、90年代からヒップホップ・シーンの中心に立ち続けているカリスマです」

田中「バスタ以外の3人は、かなりフレッシュなメンツですよね。さすがスティーヴィー。タイトルは、意訳すると〈運命に従うことなんでできない〉といったところでしょうか。デモ隊を描いたアートワークからもわかるように、〈いま声を上げよう、いまこそ変わろう〉と呼びかける歌です。ワンダーは〈この時代、私たちはこの国と世界に対してのもっとも激しいモーニングコールと悲鳴を耳にしている。どうか愛と平和と団結の必要性に気付いてほしい〉と語っています。また、今回の2曲は彼が新たに立ち上げたレーベル〈So What The Fuss Music〉からのリリース。2014年頃から完成間近と噂されているアルバム『Through The Eyes Of Wonder』もいよいよ発表されるのでしょうか。続報を待ちましょう」