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ここ5年ぐらいのザ・クロマニヨンズのアルバム、そしていくつかの外部活動をおさらい!

ザ・クロマニヨンズ 『JUNGLE 9』 ARIOLA JAPAN(2015)

結成10年目に届いた9作目。アルバム名の通り(?)にジャングル・ビートの“生活”で幕を開け、疾走する“やる人”と“夜行性ヒトリ”の連弾でスピードに乗ったまま、“エルビス(仮)”や“今夜ロックンロールに殺されたい”の純真に刺される。

 

ザ・クロマニヨンズ 『BIMBOROLL』 Ariola(2016)

大台の10作目、なれど節目にあらず。吹き荒ぶハープでイントロを切り裂く“ペテン師ロック”から腕がブンブン回る“ピート”、マーシーらしい浪漫が滲む“デトマソパンテーラを見た”まで削ぎ落とした美意識に初期衝動が宿る。ラストの“大体そう”も凄い。

 

ザ・クロマニヨンズ 『ラッキー&ヘブン』 ARIOLA JAPAN(2017)

昭和の色気が滲む“デカしていこう”で幕を開け、味わい深い“散歩”でのシメまでノスタルジックな情景が浮かんだり霞んだり、いつもより歌謡曲やGSっぽい人懐っこさと大らかさが色濃く思える11作目。生命力に溢れた“どん底”はいまこそ聴きたい!

 

ザ・クロマニヨンズ 『レインボーサンダー』 ARIOLA JAPAN(2018)

改めて疾走感を強調した七色のロックンロールが稲光を放つ12作目。後からドラマ主題歌になった逸話もアツい“生きる”の青春モードもあれば、いなせな“恋のハイパーメタモルフォーゼ”もあり。“GIGS(宇宙で一番スゲエ夜)”でのシメも最高!

 

ザ・クロマニヨンズ 『PUNCH』 ARIOLA JAPAN(2019)

ブルースをかきわけてパンクロックが行く“会ってすぐ全部”を号砲に、このバンドの魅力がより明快に提示されたような13作目。ロマンティシズムに溢れた“リリイ”“長い赤信号”のリリカルな並びから愉快な“ロケッティア”へ至る終わり方も彼ららしい。

 


 10年目以降も安定して動いてきたザ・クロマニヨンズの、メンバー各人の活動を紹介。マーシーはヒックスヴィルの真城めぐみ+中森泰弘と組んだトリオ=ましまろで2作目を発表し、ヒロトは内田勘太郎と組んだブギ連でのデビューも記憶に新しい。ベーシストの小林勝が在籍するTHE BLACK COMET CLUB BANDも今年の配信作『La Vie En Rose』に至るまで堅調に活動している。

 一方で、ヒロトは楽曲提供歴もある大西ユカリのソウル・カヴァー集で“You don't have to be a star”をデュエット。マーシーは氣志團やSOLEIL、のん、花澤香菜らに曲を書いているほか、THE COLLECTORS新作中の“お願いマーシー”にギターで参加したばかり。直近では、加山雄三の新作にてヒロトとマーシーが個別に書き下ろした楽曲にも注目だ。 *出嶌孝次