1. Mr Eazi feat. J Balvin “Lento
Song Of The Week

天野「〈SOTW〉はミスター・イージーとJ・バルヴィンの“Lento”! これはめちゃくちゃ興奮する組み合わせ!!」

田中「ミスター・イージーはナイジェリアのポート・ハーコート出身で、16歳でガーナに移り住んだアーティストですね。アフロビーツのサブジャンル〈バンクー・ミュージック(Banku music)〉のパイオニアとして知られていて、ガーナとナイジェリアの音楽をミックスしたサウンドが魅力です」

天野「……って、僕が書いた〈アフロビーツを知るための10曲〉の記事をコピペしないでください! まあ、あの記事も、10月に彼を紹介したときに書いたことをかなり流用しているんですけど」

田中「もう一人のJ・バルヴィンは、コロンビアのミュージシャンでレゲトンの大スターですね。村上隆によるジャケットが印象的だった今年3月の新作『Colores』で、すでにミスター・イージーと共演済み。また、J・バルヴィンとバッド・バニーのコラボレーション・アルバム『OASIS』(2019年)にも参加しています」

天野「そうなんですよ。彼はメイジャー・レイザーの新作『Music Is The Weapon』(2020年)にも参加していますし、アフリカに留まらず、いろいろなフィールドのアーティストと交流しているんです。そんな〈俺得〉な2人の共演曲が、この“Lento”。アフロビーツというよりもレゲトン色が濃厚で、英語とスペイン語で歌う2人の気怠いヴォーカルの絡まり合いがセクシーですね。〈ラティーノ・ギャング〉〈ナイジェリア・ギャング〉という掛け合いもかっこいい。このレイドバックしたダルさが夏っぽいフィーリングなので、〈なんで12月にリリースしたんだろう?〉と思いました(笑)」

田中「ちなみに曲名の〈lento〉とは、スペイン語で〈ゆっくり〉という意味なのだとか。サビでは、ミスター・イージーが歌う英語の〈softly〉とJ・バルヴィンが歌う〈lento〉が対になっていて、センシュアルなムードを増幅しています。ハイライフっぽいギターのフレーズもいいですね!」