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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

 「Wedanceは、偶然とも言える出逢いでスタートした私たち二人にとって初めての音楽活動です。一緒に曲を作りながら音楽についての愛情と可能性を育ててきました。

踊りと歌を歌詞とステージを通じて、音楽というジャンルの中に潜む可能性を引き出すことに力を注いでいます」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

 「名前をパッと挙げるのは難しいですね。

Wedanceの音楽と活動は、バンドやライブ、特定の曲の部分的なところなど素晴らしい様々な音楽に影響を受けています。時には映画や芸術家の生涯、宗教的な教えに影響を受けることもあります。素晴らしい部分を的確に捉えることができる私たち自身の目を、一番信頼しています。

あえて挙げるならば、PixiesThe Velvet UndergroundMy Bloody ValentinePatti SmithDoorsPavementMarcel DuchampPina BauschDavid LynchNietzscheです」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“City Punk”

「『Dance Pop』(1. 前向きという意味でのPOP、2. ポップ・ミュージックの意味でのPOP)。このアルバムは様々な角度から、今までWedanceが行ってきたスタイルとは違うアプローチで作りました。即興的なアプローチをした『Unfixed』とは対峙するもののように思います」

「このアルバムを聴く人の心の中へ入り込み、くすぐるような、破壊するような、何かがPOPに爆発する…そんなアルバムになれたら嬉しいです。

ギターはファズを使用し、新しいアプローチで演奏しました。これも沸き立つPOPな感情とよく合っていて気に入っています」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

Amateur amplifieryamagata tweaksterとして活動する한받(ハン・バッ)」

Anakin projectYoonkee Kim전기성(チョン・ギソン)、(ノン)。彼らは音楽の可能性を探求し続けていると思います」

「今現在、活動していない人もいますが、作品を聴けば言いたいことが分かると思います。私たちは基本的に自分たちの音楽に関心が向いていますが、上記に挙げたアーティストたちに関しては、新しい作品の発表や活動のニュースなどを楽しみにしています」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

Pixiesのライブを見ました。そこから知ったThe Breedersを聴いたりも」

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「納得のいく作品が出来たら〈沢山の人と共有したい!〉と、そんなことを思う時があります。ですが、基本的に私たちは音楽自体が完璧だと思っています。

道を歩きながら広がる風景の中で見える音楽の可能性を、私たちは依然としてとても価値のあるものだと思っています。

『Unfixed』シリーズには、そのような私たちの考えを込めました。アルバムにはハングルで書かれたタイトルと、発表した日付、そして音楽が入っています。音源はライブ会場のみの完全限定販売にして、ネットでの販売などの流通を行いませんでした。運良くアルバムを手に入れた人達が、どのようにアルバムと向き合って聴いているのか。私たちはそれを想像するだけで胸がいっぱいになります。

メディア広告はアーティストと音楽を愛する人々、音楽の発展に肯定的な影響だけを与えるとは思っていません。強い拡散力を持つマスメディアは、人間の存在認識を何らかの形で萎縮させていると思います。

公演会場に30人が来ようが300人が来ようが、得られることはさほど差がなく、公演の成功と失敗は言語化することができません。たとえ少ない範囲でも〈影響を与えているんだ〉という感覚を持ち続けたいと思います。多くの方法が生まれ、絶えず議論され続けている現実が嬉しいです。

『Unfixed』シリーズは、2012年の当時に私たちが出来る発表と流通とメディア広告のアプローチ方法でしたが、今回のアルバム『Dance Pop』では、『Unfixed』とは全く違うアプローチ方法を試みました。

InstagramFacebookで活動のニュースを出し、YouTubeにはMVとライブ映像をアップロードしました。興味本位からスタートしたSNSを使用したアプローチ方法は満足いかない部分もあるけれど、それはそれで失敗を楽しもうと思います。私たちは私たちに合う方法を自分たちで作り出すことをやめることはありませんから」

「私たちは音楽を生み出す芸術家であり、同時に素晴らしい音楽のサポーターでもあります。作るということ、楽しんで関心を持つということ、拡散するということ、今日1日をどう過ごすかということまで、すべていつも自分の判断が正しいのだと信じています」

  

2012年の活動開始から現在まで、自分たちの音楽を追究し続けているWedance。回答にもあったように、自分たちを信じて突き進む、そのストイックな音楽の追求は楽曲とステージでアップデートされ続けており、ライブを観る度に心を揺さぶられてしまいます(韓国、日本、台湾でライブを観ましたが、毎回あまりの格好良さに感極まってウルっとしちゃうんですよね)。

彼らの最新アルバム『Dance Pop』は、静かな攻撃性をベースに、Wedanceらしい解放感あるポップ・サウンドで昇華し、社会や人々(あるいはモノ)への抗議と提案、そして解放を、沸き立つようなPOPに乗せて表現した作品。確実に進化しているWedanceの現在を体感できる『Dance Pop』、CDLPともに是非チェックを!

 


RELEASE INFORMATION

Wedance 『Dance Pop』 Beeline(2020)

 

品番:BR001LP
仕様:12インチ・レコード(2枚組)/CD

TRACKLIST
1. Stop At Nothing
2. City Punk
3. Dance Steel Works
4. Ironism
5. Big Fuss
6. 51+
7. On a Paper
8. Stages Of Production
9. Just Want To Do It
10. Our Marks
11. Do You Know