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1. 出身地と音楽活動を始めたきっかけ(バンドであれば結成のいきさつ)について教えてください。

「長崎県出身です。3歳からエレクトーンを習い始めて、そこからずっと音楽を続けています。大学進学と同時に上京して、色々なご縁から楽曲提供だったりコーラスや鍵盤のお仕事をやらせていただけるようになりました。どちらかというと裏方として音楽活動をしていたのですが、能動的に何かをやりたいという気持ちをずっと持っていて、1年前に初めてソロ名義で曲をリリースしました」

2. 現在の音楽性に影響を与えたと思うアーティストや楽曲は?

山下達郎の“DANCER”と“STORM”。歌詞を書く時はいつも最小限の言葉で世界が広がるように心がけています。乗せた言葉が不自然じゃないか、聴き心地がよくきちんとグルーヴしているか、といった点にも注力し、日本語の可能性を模索しながら作っているので、この2曲はいつも指標にさせていただいてます」

3. 今回TOWER DOORSで紹介した曲はどんなふうに生まれた曲で、どんなことを表現していますか?

“D(feat. 壱タカシ)”

「この曲は10年程前に作った曲なんですけど、今回フィーチャリングで参加してくれた旧友の壱タカシが、当時からこの曲をものすごく気に入ってくれていて。リアレンジしてリリースしようと思ったタイミングで真っ先に声をかけ、全部お任せで16小節キックしてもらいました。そしたらすごくしっくりくるヴァースが返ってきて。彼の力量もあるんですけど、やっぱりお互いをよく知っているし、思いやりを持っているからこそできたものだなと。

例えば、私は昔から歌詞の上で一人称〈私〉を使うことにすごく違和感があって、〈僕〉という表現をしているのですが、そんな私のこだわりとか、クィアなアイデンティティを標榜している彼だからこそ敏感にキャッチしてくれてる部分もあると思いました。結果的に、ジェンダーバイアスにとらわれない新しい愛の歌が提示できたんじゃないかと思います」

4. 交流のあるアーティストでいま注目しているのは?

New Biboujinです。7月にフィーチャリングで彼らの作品に参加させていただいたのですが、自らの活動を〈DIY・ベッドルーム・プロジェクト〉と名乗っている点や、楽曲に対する実験的なアプローチの仕方に共感し、リリース毎にとても刺激を受けます」

5. TOWER DOORSは新しい音楽との出会いを提供することをコンセプトとするメディアですが、あなたが最近出会った新しい音楽は?

LEENALCHI “Tiger is Coming”

6. ライブやリリースといった今後の活動や、やってみたいことなど、これからの展望について教えてください。

「数曲シングルリリースを続けたら、EPを作りたいと思っています。自身でがっつりディレクションしてMVも作りたいです。その後ライブもやり始めたいですね。1人で完結する形やバンド編成など色んな編成を試してみたいです」

 

Ai Kakihiraの音楽を聴いていると、どこかの異郷にいるような感覚になるほど、サウンド・プロダクションが独特の世界を作り上げています。最後に自身でMVも制作したいと語っていたように、ぜひそれを映像で表現してほしいと思いました。

彼女の音楽性はBlack BoboiやAAAMYYYなどのアーティストとのシンクロニシティーを感じますが、オリジナリティーあふれる日本語詞の表現や響き、メロディーセンスは際立っています。音楽シーンに一石を投じるような姿勢と実験性も感じました。

今回TOWER DOORSで紹介した楽曲“D”は、Ai Kakihiraと壱タカシによるコラボレーション・プロジェクトの一環で、2週連続でお互いがプロデュースしたシングルをリリースするとのこと。来週12月23日(水)には、壱タカシの “C(feat. Ai Kakihira)”が配信されるので、そちらもとても楽しみです。ちなみに、タイトルはそれぞれの楽曲に思いを込めた言葉の頭文字を表しているのだとか。

今後飛躍すること間違いなしのAi Kakihira。彼女の動向を、ぜひTwitterInstagramをフォローして追ってください。

 


RELEASE INFORMATION

Ai Kakihira feat.壱タカシ『D』

作詞作曲:Ai Kakihira & 壱タカシ
トラックメイク & ミックス:Ai Kakihira
ギター:Yuthke(TAMTAM
写真撮影:宮本七生
メイク:emiuoya

★配信リンクはこちら