New Biboujin

東京や京都在住のメンバーが遠隔で楽曲制作を行うDIYな3人組、New Biboujin。TOWER DOORSは、YouTubeやこのブログなどで幾度となく彼らをフィーチャーしてきました。

メンバーは、京都のバンド・YUNOWAのヴォーカリストである水野翔太、東京のバンド・BurnQueのベーシストである川井宏航、そしてトラックメイカー/ビートメイカーの森鉄人の3人。3者が織り上げる音像は、アンビエントやエレクトロニカ、さらにミニマルなR&Bが混然一体となった極上のサウンド。そこに水野の耽美的で、時にファルセット・ヴォイスを駆使する歌声が加わることで、楽曲に劇的な変化をもたらしています。

そんな彼らの一番の魅力は、実験的かつ独自性が高いその音楽性です。新曲をリリースするごとに新たな試みを行っており、どんどん唯一無二の存在になっていっていると感じています。

2020年は3か月連続で新曲をリリースしたり、他のアーティストと積極的にコラボしたりと、ひとつひとつの活動が挑戦的でした。今年もどのような動きをするのか、とても楽しみです。

 

Ai Kakihira

続いてセレクトしたのは、先ほどのNew Biboujinと交流があり、“Skin”という楽曲でコラボしているシンガー・ソングライター/クリエイターのAi Kakihiraです。

彼女は長崎出身で、現在は東京を拠点に活動。作詞作曲からミックス、トラックメイキングまで、すべて自身のベッドルームで行うDIYアーティストです。ソロだけではなく、他のアーティストへの楽曲提供やアレンジ、プロデュースも行うマルチな才能を持っています。

さまざまなアーティストとコラボして表現の幅を広げており、昨年12月にはクィアなアイデンティティーを表現するSSWの壱タカシをフィーチャーしたシングル“D”を発表。また、彼女は壱タカシがリリースした“C”にフィーチャーされており、2曲は対になっています。

Ai Kakihiraの音楽の魅力は、透明感のあるスペーシーなR&B/エレクトロニック・サウンドです。また、シルキーで洗練された甘美な歌声もたまりません。Black BoboiやAAAMYYYといった先鋭的なアーティストたちとのシンクロニシティーを感じる音楽性ですが、オリジナリティーあふれる日本語詞の表現や響き、メロディーセンスは彼女独自のもの。音楽シーンに一石を投じるような姿勢と実験性を感じる、いま注目のアーティストです。