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日本の音楽の魅力は深い歌詞とキャッチーな演奏

――Rainychさんにとっての日本語詞の歌と英語詞の歌のちがいや、日本語詞の歌のおもしろさは? また、Rainychさんはアニメ・ソングもたくさんカバーしていますよね。アニメやアニソンなど、日本の文化のどんなところに惹かれるのでしょう?

「音楽については、誰もがそれぞれのテイストを持っていると思います。日本の曲の魅力の大部分は深い意味を持った歌詞とキャッチーな演奏にある、というのが私の考えです。アニメのオープニングは特にそうで、曲がアニメの物語の筋と結びついているので、よりリスナーに楽曲の深みをもたらしてくれます。

言語については〈これがお気に入り〉というものはありませんが、日本語の歌は歌うのが好きなので、私にとってはそれがシンプルに楽しいです!

話は変わりますが、私に〈日本の文化〉について訊いていただいても、インドネシアでは〈日本の文化〉はほとんど〈アニメ/漫画〉と同義なんですよね ^_^ ” 文化については、私はまだまだ学ぶべきことがたくさんあるので、日本を訪れて直に体験できる日を心待ちにしています!」

千石撫子(花澤香菜)“恋愛サーキュレーション”のカバー​。TVアニメ「化物語」(2009年)の楽曲

LiSA“紅蓮華”のカバー。TVアニメ「鬼滅の刃」のオープニング・テーマ・ソング

――Rainychさんがカバーした“真夜中のドア~Stay With Me”は、今回初CD化されます。そのご感想をお訊きしたいです。また、YouTubeなどとは異なるCDというメディアについてどう思いますか? インドネシアでは、CDはもうあまり流通していないのでしょうか?

「CD化というのは、日本の音楽の世界においてエイキサイティングな、とても価値のあることですよね!

CDというフィジカルのモノについては、ある方にとっては大事にしてきた思い出を保存しておくための方法です。CDには、デジタル化された製品と比べたときに、それとは異なる感覚があります。インドネシアではCDで音楽を聴くことはそれほど一般的ではありませんが、まだCDを使っている方もいます」

『CITY POP Voyage - STANDARD BEST』へのコメント動画

 

世代を超えて人々を結び付けるシティ・ポップの力

――今回タワーレコードがリリースする『CITY POP Voyage - STANDARD BEST』の収録曲について、どう思いますか? Rainychさんが好きな曲やカバーしてみたい曲はありますか?

「親しんでいる曲がいくつかあるので、CDを手にして全編をしっかりと聴けるのが待ち遠しいです。私はシティ・ポップの曲を数曲カバーしたわけですから、今後もまたシティ・ポップをカバーするのは当然ですよね ^^ 」

タワーレコード〈CITY POP Voyage〉キャンペーンのトレイラー

――シティ・ポップという音楽のどんなところが好きですか? Rainychさんは以前、日本のTVのインタビューで〈シティ・ポップは過ぎ去った時代に私たちを連れて行ってくれる〉とおっしゃっていましたね。

「〈過去(bygone)〉というのは言葉が強すぎたかも(笑)!

シティ・ポップは、これまでに世界で生まれた音楽のなかでも特にビジュアルが魅力的で、他にはないエレガントなポップだということを言いたいです。

繁栄の時代に生まれたシティ・ポップの楽曲は、メインストリームの音楽からの解放をもたらしてくれますし、青春時代にヒット曲をリアルタイムで体験できた幸運な方々の情熱にもう一度火をつけてくれます。なので、2つの世代(後追い世代とリアルタイム世代)を結び付けてくれるシティ・ポップの力は、とにかく美しいものだと感じています」

――ありがとうございました。それでは、最後の質問です。Rainychさんが好きなシティ・ポップ・シンガーは?

「みなさん全員のことが好きです :) 」