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HEALTH & Nine Inch Nails “ISN’T EVERYONE”

天野「これは、今週注目の一曲ではないでしょうか。LAのノイズ・ロック・バンド、ヘルスとナイン・インチ・ネイルズによるコラボレーション・ソング“ISN’T EVERYONE”です」

田中「ヘルスのことは、2018年に〈PSN〉で紹介しましたよね。彼らは昨年、コラボレーション・アルバム『DISCO4 :: PART I』を発表。今回のNINとのコラボも、その続き。もともとヘルスはNINのツアーのサポートを務めていたので、この組み合わせは納得ですね」

天野「胸アツです! トレント・レズナーは、アカデミー賞の授賞式でNINの活動再開について〈明日くらいから〉と語っていたので、そのとおりになりましたね(笑)。ちなみに、“ISN’T EVERYONE”のミックスはトレントと共にオスカーを手にしたアッティカス・ロス(Atticus Ross)。それも含めてNINっぽさが濃厚な、ヘヴィーでインダストリアルな楽曲です。前半の金属音なんか、まさにNIN」

田中「この曲は前作の続編『DISCO4 :: PART II』からのシングルとのことで、他にどんなゲストと共演するのかが気になりますね」

 

Hypnotic Brass Ensemble feat. Moses Sumney “Soon It Will Be Fire”

天野「ヒプノティック・ブラス・アンサンブルは、シカゴの8人組ホーンズ。ジャズ・トランぺッターのフィル・コーラン(Phil Cohran)を中心に、トロンボーンやバリトン・ホーン奏者などで構成されています。今回、ジャグジャグウォー(Jagjaguwar)の設立25周年企画〈Jag Quarterly〉の一環で、彼らが新作『This Is A Mindfulness Drill』を6月25日(金)にリリースします。同作は、リチャード・ヤングズ『Sapphie』(98年)をリイマジン=新たに想像したアルバムだとか」

田中「『This Is A Mindfulness Drill』では、モーゼズ・サムニーとパフューム・ジーニアスとシャロン・ヴァン・エッテンがのヴォーカルがフィーチャーされるそうです。USインディーのいいシンガーだけを選んでいますね(笑)。同作からのシングルでサムニーが参加した“Soon It Will Be Fire”は、〈アコースティックなシガー・ロス〉とでも言うべき荘厳さ。神聖な響きに包まれる一曲ですね」

天野「サムニーの歌とコーラスの重ね方に、ものすごいインパクトがありますよね。温かくて親密だけど、どこか近づきがたいというか……。感動的です」

 

HARD FEELINGS “Holding On Too Long”

天野「ハード・フィーリングズの“Holding On Too Long”。これは、いかにも亮太さんが好きそうな曲(笑)」

田中「最高のピアノ・ハウスでしょう!! コロナ禍じゃなければフロア・バンガーになっていたのに……と思って、なんだか悲しいです」

天野「はい。ハード・フィーリングズは、NYCのシンガー・ソングライターであるエイミー・ダグラス(Amy Douglas)と、ホット・チップのジョー・ゴダードによるコラボレーション・プロジェクト。ダグラスの力強いヴォーカルが、ゴダードのハウス・ビートに映えますね」

田中「ダグラスはホース・ミート・ディスコの曲に客演したり、ホアン・マクリーンとのコラボでピーチ・メルバ(Peach Melba)として活動したり、DFAから12インチ・シングルをリリースしたりと、ダンス・ミュージック界で名を馳せる歌い手。だから、この組み合わせは超アツい!!」

天野「へー。僕は、バンドではダンス・ミュージックに寄りすぎないゴダードが、ハード・フィーリングズではそれを解禁して思いっきりハウスをやっていることがいいなと思いました。ちょっとダブステップやUKベースのニュアンスがあるビートもいいですしね。今後のリリースにも期待しています」