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――では、アルバムの新曲について聞かせてください。“Hello!!”はライブでの盛り上がりを想起させるアッパーチューン。

「まさにライブを意識して作った曲ですね。(観客は)声は出せないけどクラップはできるので、一緒に手を叩けるパートをたくさん入れて。ライブのどの位置でやるかは決まってないですけど、〈今から楽しいショーがはじまる〉という雰囲気だったり、明るくて前向きでワクワクできる曲にしたくて。ステージで披露するのが楽しみです」

――“Venus Symphony”はジャズテイストの楽曲。ちょっと官能的な歌詞も素敵です。

「もともとジャジーな楽曲も好きだし、こういう歌い方もやってみたくて。歌詞は夜会のイメージというか、男と女が踊っている場面を思い浮かべてくれたらなと。主メロをオクターブで歌っているんですけど、低いラインは男性、高いところは女性の声の出し方で歌ってるんですよ。ちょっとしたギミックですけど、男女で歌っている雰囲気にしたかったので」

――歌詞の世界観、アレンジのアイデアもクリエイターとやり取りしてるんですか?

「もちろん。かなり細かく伝えるし、送ってもらった音源に対しても、〈こうしてほしい〉とか〈こういう要素を加えたい〉とフィードバックして。そういう作業もすごく楽しいですね」

――プロデューサーの資質もあるんでしょうね、もともと。

「そうですね。頼ってくれた後輩に楽曲提供をしたこともあるんですけど、その人の声質、いちばん響くレンジを研究したうえで曲を作るのが好きなんですよ」

――なるほど。そして“七色エール”はタイトル通り、リスナーの心に寄り添い、励ますようなメッセージを込めた楽曲。

「“七色エール”と“モガケ!”は、ソロになって最初の時期に制作にした楽曲で。特に“七色エール”は応援してくれてる人たち、自分の音楽を聴いてくれた人たちを元気づけて、今の時代に光を差せるような曲にしたかったんですよね。コロナになって、いろんな人がエールを求めていると思うんですよ。孤独を抱えている人、仕事が上手くいってない人も多いし、そういう人たちにもちょっとでもポジティブな影響を受け取ってもらえたらなって。時代にも合ってるし、自分の性格にも合ってますね。もともとボランティアとかも好きなので」

――11月に配信リリースされた“ONE LIFE”は、作詞をjamさん、作曲を松本俊明さん、編曲を武部聡志さんが手がけたバラード。日本のポップスを支える素晴らしい布陣ですね。

「きっかけは武部さんなんです。武部さんとは音楽番組で何度もご一緒させてもらっているんですが、今年の〈24時間 TikTok LIVE〉(音楽監督:武部聡志)で歌わせてもらったときに再会して、〈何かやろうよ〉と声をかけていただいて。その直後に武部さんのラジオ番組にも呼んでいただいて、一緒に曲を作らせてもらうことになったんです。作曲は松本俊明さんで、レコーディングにもすごいメンバーを集めてくれて。バンドやストリングスの録音も立ち会って、武部さんと二人で作り上げていったんですよね」

――手越さん自身の生き方とも重なる歌詞も印象的でした。

「作詞はjamさんにお願いしたんですが、以前、僕がサッカーしている様子をたまたま見たことがあったみたいで。〈キラキラした笑顔でサッカーを楽しんでいて、すごく真っ直ぐな奴なんだな〉と印象があったらしく、そのときのイメージと新しいことにチャレンジしてる姿を重ねて歌詞にしてくださったんですよね。ファンのみんなもすごく喜んでくれてます」