ユメカ・ナウカナ?

別れと出会い

――4人で最後のライヴはASPとして初のLIQUIDROOM公演でもありましたが、振り返ってみていかがでした?

ユメカ「前回のツアー・ファイナルは考えすぎたのが反省点だったので、LIQUIDは〈やってやるぞ!〉みたいな気持ちで臨んで、清々しい気持ちで終われて自分的には凄く良かったです。ナアユちゃんと目が合うたんびに涙腺爆弾が危なかったんですけど、〈楽しむぞ!〉って思ってやりきりました。しかもアンコールでは2人を迎えて輝かしい気分で終われたので、先が見えた気持ちになりました。前向きになりましたね」

ナ以「ツアーの最終日ってこともあって、終わった後に何も考えられなくなるくらい、もう全部全部全部出しきりました。でも、やっぱりいつものライヴとは違って、いままで味わったことのない、喪失感じゃないけど……う~ん、喪失感だったのかな。何だろう、言葉が出ないです。終わった後にはプラスな気持ちだったんですけど、何なのかよくわからなくなっちゃいました(笑)。〈わからない〉ってあんまり好きじゃないんですけど、この感情が何なのかが見つからないです」

――それが率直な感想でいいと思います。

ナ以「はい。4人体制も5人体制もどっちが良いとかじゃなくて〈これがASPだ!〉って私は思っていたし、それは両方でお客さんに観せられたと思います」

モグ「私も前日とかはめちゃくちゃ考えちゃって。でも考えすぎると絶対良くないから完全に切り替えて、ずっと観てきたWACKで自分がLIQUIDROOMに立つことを考えて〈ヤバイ、凄いことだ!〉って思いながら、BiSさんやBiSHさん、GANG PARADEさんのLIQUIDROOMの映像を何回も観ました。で、ライヴは一曲一曲やりながら〈ナアユちゃんとこの曲をやるのは最後だ〉とか思ったり、〈ここの振付けはこうやって考えたな〉〈この歌詞はこう思って書いたな〉とかいろいろ思い出して、自分の中で勝手に悲しくなったり、嬉しくなったり、楽しんだりしていて、全然疲れなんか感じなかったです。そういう気持ちでライヴしたことがなかったので、もうナアユちゃんとステージに立つことがない悲しさがどこかにあって、新体制をやっと観てもらえる嬉しさもあって、わけわかんなくなってたら終わっていてビックリしちゃって(笑)」

――特別な日になりましたね。

モグ「特別でした。いつも私はライヴの後で〈あそこがダメだった〉〈こんなこと考えてた、最悪だ〉とか後悔しちゃうんですけど、LIQUIDはライヴ中も〈いま楽しい!〉って思えたし、やりきって良かったです」

――そんな状況で2人は初登場して。初めてのステージはいかがでしたか?

マチルダー「思ってたより、ならず者(ASPファンの総称)の皆さんが優しくてビックリしました。ナアユちゃんが辞めるってなって、いきなり入ってきたらファンの人は複雑だろうなって思うのに、目を合わせてくれたり、振付けをやってくれたり、優しくて。嬉しかったです」

ウォンカー「ライヴは一瞬でした。マチルダーも言ってるように、お客さんはいろんな感情になってると思うので、〈新体制もいいね〉って思ってもらえるようにがんばりました」

マチルダー「緊張してないと思ったんですけど、Twitterでは〈緊張してた〉って書かれていて(笑)。でもやってる時は、楽しいしかなかったです」

ユメカ「良かった」

――ライヴの練習と同時進行で、5人でのレコーディングもされてたわけですよね。

マチルダー「はい。“I wanna live”を最初に録って、歌えてるのか心配になりながら歌ってました」

ユメカ「バッチリだったよ」

――歌割に関しては特に双子っぽさを強調されているわけではないんですね。

マチルダー「そうです。そういう指示はなくて。2人とも音がハ行になっちゃうから、その指摘はありました」

ウォンカー「それぞれの声をちゃんと聴いてくださって嬉しかったです」

――まあ、最初はヴィジュアル的なインパクトを期待されると思うんですけど、こちらが何でも双子セットみたいに捉えてしまうのも失礼でした。

ユメカ「いや、私も会ってすぐ〈一卵性?〉とか訊いちゃったんですけど、〈これデフォルトだな〉と思って申し訳なくなりました」

ウォンカー「でも全然、双子でASPのためになるなら、私は大丈夫です(笑)」

マチルダー「私も大丈夫」

ウォンカー「むしろです」

ナ以「でもホントに性格も雰囲気も違うんです。だから、私はやっぱり皆さんにマチルダー・ツインズを観てほしいし、ウォンカー・ツインズを観てほしいですね」

ユメカ「うん、ホントにそうだね」