ひたすらパワフルに明るく元気に歌ってほしい

──では、アプガ(仮)のみなさんから、やすごもりさんへの質問タイムに入りましょう。

鈴木芽生菜
 

芽生菜「〈先へ前へと言われたんならさ 一度立ち止まって欲しいんだ〉って歌詞があるじゃないですか。一般的には、止まらず進もうって書かれることが定番だと思うんですけど、一度立ち止まるって矛盾みたいな言葉が生まれたきっかけが何かあったんですか?」

やすごもり「視野狭窄みたいな話ですけど、人って必死になると周りのことが見えなくなると思うんです。例えば、受験勉強で学力をあげるために必死になると、睡眠時間を削ったり休憩取らなかったりってなってしまったりする。でも、冷静になると休憩って大事だよね、睡眠ちゃんと取らないとパフォーマンス下がっちゃうよねっていうのが分かるんです。なので、がんばる時ほど休むこともちゃんと考えてねって思いもそこに込められてます」

芽生菜「なるほど。もう1個いいですか? やすごもりさん的には、〈この曲をどういう風に私たちに表現して欲しい〉っていう理想はありますか」

やすごもり「この曲の世界観は、僕のYouTubeのMVを見ていただけると分かると思うんですが、ひたすらパワフルに明るく元気に歌ってほしいって思います」

芽生菜「分かりました。任せてください(笑)!」

関根「普通に訊きたい質問なんですけど、生きてて立ち止まってしまった時の回復方法って何してますか?」

やすごもり「僕は、そもそもがんばり続けることの方がありえないと思うタイプなので、こういう時もあるよねって思うようにしてます。昔は立ち止まっちゃった時とかは、アニメを見るとか寝るとかひたすらしました(笑)。話が逸れるんですけど、僕は歌詞を作る時にアニメの引用がめちゃ多いんです。〈今日も私が冴え渡る〉ってタイトルも、アニメのドラマCDのセリフから取ったんです。一応、著作権関係のところに連絡して確認して、大丈夫だったので使いました(笑)」

関根「偉いです!」

青柳「この曲を聴いた時に、普通に好きな曲調だったんですよ。私はボカロが大好きだったんですけど、やすごもりさんがどんな音楽を聴いて育ってきたのか教えてください」

やすごもり「初めはBUMP OF CHICKENとかRADWIMPSとかが好きでした。曲作りをしていく中で、自分は歌がそんなに上手くないってことに気づき(笑)、オケの部分を聴いてもらおうと思ったんです。ボカロって、声の表現が人間よりも劣る分、オケの部分でどういう音を使うかがすごい工夫されてるんです。それでボカロをすごい聴き始めたんですよ。ボカロだと、Orangestarさんが一番好きです」

青柳「私も好きです! 私も歌が下手なんですよ(笑)。ボカロばかり聴いてきたから歌の感情の入れ方が分からなくて。でも、この曲を歌う時に、やすごもりさんの歌ってるバージョンと初音ミクが歌ってるバージョンを両方聴き比べて、ボカロの曲ってこう歌えばいいんだってすごく勉強させていただきました」

鈴木あゆ
 

あゆ「やすごもりさんは、曲のインスピレーションってどこから湧いてくるんですか?」

やすごもり「基本はアニメが多いんですけど、歌詞とかメロディーが一番浮かぶのは自転車を漕いでる時なんです。自転車に乗ってる時って、すごくいろんなこと考えちゃうんですよ。自転車も運転しなきゃいけないし考え事もしてるって、リソースの配分でうまい具合にアイデアが湧くみたいです(笑)」

あゆ「私も自転車漕ごうかな(笑)」

関根「いいな〜、自転車乗れて」

──そこですか(笑)。逆にやすごもりさんからメンバーに聞いてみたいことは?

やすごもり「じゃあ、みなさんの一番好きなフレーズを聞きたいです」

関根「私が歌ってる〈中には風に乗っかって 上手く遠く飛んだ奴もいた 君はどうやらそのパターンじゃないらしい〉ってとこがすごく好きです。そこを歌う時は、アイドルを16年やってきた自分に置き換えてるんですよ。周りには華やかにデビューできた子たちもいて、どちらかというと私はその子たちを見送ってた立場の人間だったんです。この曲を歌う時は、かっこいいライバルの背中を見てきたからこそ、次こそは自分も花咲かせてやるぞって気持ちで歌ってますね」

青柳「私は、〈泥臭く道を切り開くそんな君に憧れていたんだよ〉ってところがすごく好きです。私は道を切り開いてくださった先輩がいたから、私もオーディションを受けてアプガ(仮)に入ったんです。なので、そこにすごく共感してパフォーマンスしてます」

芽生菜「やっぱり〈先へ前へ〜〉のフレーズが好きですね。私は大学で心理学を学んでるので、心に寄り添うことが多いんです。人の相談を受けた時に、自分も〈今は心が忙しい時だから、一回休むのも大事だよ〉って言葉を使うんです。そういうメッセージを、自分たちの曲としてみなさんに届けられることがうれしいですね」

あゆ「私はさっき言った〈君の中の〜〉ってところです。私自身は、人にどう思われるか結構怖いタイプなんです。でも、この一言で自分の気持ちを肯定してもらえた感じがしたんです。躊躇なく言っていいんだなって思える、素敵な言葉ですね。普段、自分が怖気づいた時も元気もらってます(笑)」

──メンバーの声を聞いて、改めてどんな思いがありますか。

やすごもり「いや〜、感無量です(笑)。本当に、この曲をみなさんに歌っていただけてよかったです。それに尽きますね」

──では、最後にお互いのエールの交換をお願いします。

やすごもり「音楽を通して人を感動させることが自分もアプガ(仮)さんも夢なので、より多くの人に感動を届けられるようにお互いがんばりましょう」

関根「今回コンテストを通して、やすごもりさんと携われることができて、すごく自分たちが届けやすい、歌いやすい、気持ちも込めやすい楽曲だと本当に思えたんです。なので、今後コンテスト関係なく曲を事務所の方に送っていただけたらと思いました(笑)」

芽生菜「それは本当に思いました。もし機会があったら、またやすごもりさんの音楽に乗せて歌を届けたいなと思いました。音楽の道を諦めず、ともにがんばりましょうって気持ちが強いです」

あゆ「また曲作ってほしいです!」

青柳「いつかボカロPとして絶対バズると思うのでがんばってください!」

やすごもり「がんばります! めちゃめちゃ励みになりました。ここ最近で一番幸せな時間でした(笑)」

一同「ありがとうございました!!」