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何かあったらぽんちゃ、私のこと養ってくれる?

――オリコンで結果を出していた時期も手応えはもちろんあっただろうけど、それと同時に戦わなきゃいけないしんどさや肉体的なしんどさもあったはずで。それが、いまはマイペースかつ平和に活動できる状況になったわけですよね。

Nao☆「そうですね。リリイベを1日何個かとか、オリコン入りを目指してたときはすごいありがたかったんですけど、ホントたいへんで。これがどこまで続くのかなとか、リリースできるうれしさはもちろんありつつ」

――不遇な時代が長いから、ようやく忙しくなって結果も出て手応えは感じていたけれども、同じように戦ってる人たちよりひと世代上だったから、たぶん疲れも違っただろうし。

Nao☆「そうなんですよ。体力の衰えも感じなくはないですし。いまあれはできないなっていうか、戻れないなっていうのもありますし。

でも、あのとき楽しかったこともあるし。ゆっきーも〈“光のシュプール”でオリコン5位獲らなかったらいまのNegiccoはなかったと思う〉って言ってて」

2015年作『Rice&Snow』収録曲“光のシュプール”

――そう思います。あのとき頑張った意味は絶対にあって。

Nao☆「はい。『MUSIC JAPAN』(NHK総合)にまた戻れたり、あそこから動き出したこととか、そのあと女性ファンもどんどん増えてきて、こないだの新潟県民会館は女性ファンがとにかく多くて。家族連れもそうなんですけど、やっぱりウイルス禍前とは違うというか、すごいなって感じました。

終わってからconnieさんに電話したら、〈Negiccoがママになったことで違う共感とか、自分も頑張らなきゃって勇気づけられた人もいてそういう客層になってきてるのかもね〉って言ってくれました」

※編集部注 2023年7月23日に新潟県民会館の大ホールで開催された〈Negicco 20th Anniversary Live ~MY LIFE is Negicco~ supported by サトウ食品 at 新潟県民会館 大ホール〉

――わからないもんですね。

Nao☆「ホントに! 結婚したことで〈何やってんだよ!〉って女性ファンも減ったりするかもしれないなと思ってたので、逆にビックリというか。

お子さんを連れたきれいなママがキラキラした目で応援してくれてるのを見て、なんかうれしかったです。〈お久しぶりです・お元気ですか〉のタオルを持ってくれてて」

『Perfect Sense』収録曲“お久しぶりです・お元気ですか”

――ホントよかったですよ。

Nao☆「ただ、ちょっとネガティブが発動したのが、黄色いタオルを持ってくれてたんですね。どっかでNegiccoを知ってくれて好きになってくれて観に来たけど、〈あ、実際のNao☆ちゃんってこんなんなの?〉って嫌いになられないかなと思って(笑)。そういうネガティブはちょっと発動したものの、やっぱりうれしくて。ずっとキラキラしてたいなと思います」

――〈実際のNao☆ちゃんってこんなんなの?〉とは?

Nao☆「あんまりかわいくないなとか、MCこんな感じなんだとか」

――MCはもうみんなわかってきてますよね。

Nao☆「MCでも豪さんにたくさん迷惑をおかけしたので」

――いやぜんぜん。常におもしろいです。

Nao☆「黒歴史というか、めっちゃ苦しいMCの時期もあったと思うんですけど、いまはホントMCも楽しいですね」

――以前、インタビューで「私がホームレスになったらぽんちゃ引き取ってくれる?」とか言ってたじゃないですか。

Nao☆「ハハハハハハ! それぽんちゃにずーっと言ってたんですよ。いまだに言ってなくもないんですけど」

――え、結婚しても!?

Nao☆「こういう時代なのでホームレスっていうワードを遣うのはあれかもしれないですけど、〈何かあったらぽんちゃ、私のこと養ってくれる?〉って言って(笑)」

――まだ言ってるんだ(笑)。

Nao☆「旦那さんがちゃんとしてるんでもう心配ないんですけど、何かあったときにはやっぱり助けてくれるかなって感じで」

――全然変わってないじゃないですか。

Nao☆「そうですね、そこらへんは。ぽんちゃ、こないだも〈Nao☆ちゃんずっと私にそれ言ってくる〉って言ってました」

――ネガティブスイッチはまだたまに入る。

Nao☆「たまに入るのでセーブをかけつつ。〈ある程度の弱音を吐いてくれたほうが人間性がわかって、ああNao☆ちゃんも落ち込むんだなとか逆に勇気づけられる〉とかファンの人も言ってくれるので、何かあったときにはたまに言っちゃったりするんですけど。あきらかに出すもんじゃないでしょっていうものに関しては1回セーブするようになったり。ファンの人みんなが〈Nao☆ちゃんホント気にしないほうがいいよ〉ってすごい言ってくれるんで、そうだよねって」

――弱音も怒りも楽しいも全部出ちゃうのが好きなんですよ。

Nao☆「そうですか?」

――税金とか年金とかに怒りをぶつけたこともあったし。 

Nao☆「いやホントに! いまだに税金どうにかなってくれよっていうのは」

――「政治家が!」みたいなのって、アイドルインタビューじゃなかなか出てこないですからね。

Nao☆「どこまで上がるんだガソリン代! みたいな感じで」

――そういうのが全部いいわけですよ。

Nao☆「大丈夫ですか? 日々出てきますよ。

あと、まめぐ(中島愛)さんがNegicco好きって言ってくださって、今回もチケットを自分で買って来てくださるって聞いて」

――あの人もすごい律儀な人ですからね。

Nao☆「ホントに! だから変なこと言いすぎちゃいけないなと思って」

――いや、ぜんぜん気にしなくていいですよ。なぜならまめぐさんも変な人なので。

Nao☆「ハハハハハハ!」

――あの人も相当どうかしてるんで。けっこうなレベルの本物でしたよ。

Nao☆「え、そうなんですか……」

――「私、アイドルの方が年を重ねていくのが大好きなんですよ! ……【以下略】」みたいなこと言ってたりで(笑)。

Nao☆「ハハハハハハ! まめぐさんと話してて、純粋さというか、そういうのをすごく感じました。変な意味じゃなくて、ここまで素直な女性はいないんじゃないかっていうか」

――気持ちのいい人ですよね。

Nao☆「ファンの方もすっごくいい人たちで。まめぐさんのファンの方もいまだに応援してくださったり。そういう関係性も喜んでくださってるので、この関係をずっと続けたいなっていう気持ちでいます。

ありがたいですね、チケット買って来てくださるってもう。朱鷺メッセもそうだったんですけど、〈女性エリアにいました〉とかあとで聞いて、〈えー!?〉みたいな(笑)」

※2018年7月21日に新潟・万代島の朱鷺メッセで開催された結成15周年記念ライブ〈love my 15years at 朱鷺メッセ〉

――「Negiccoの会場で豪さんを見ました。声なんてかけられるわけないじゃないですか」ってまめぐさんに言われ。「かけてくださいよ!」っていう。不思議な人なんですよね。

Nao☆「いまどきいない純粋さだなと思います」