――あれ、みんなかわいかったじゃないですか。
Kaede「かわいい感じにやっていただいて」
――基本、外見に自信のないNegiccoさんですけど、だんだんああいうジャケとか撮ってるうちに自信はついてくるものなんですか?
Kaede「これはすごい好きって思いました。なんとなく自信も持てそうな感じになってきてるのかなって思ったのは、ここからですね」
――ちゃんと洗練されてきてますよ。まだ自信ないでしょうけど。
Kaede「ないですね(笑)。まったくないです」
――そこは安定してますよね(笑)。
Kaede「〈TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)〉とか出るたびに〈なんで私ここにいるんだろう?〉ってやっぱり毎年思うんですよ。一瞬フッと辞めたくなる」
――え! 「私はこのレベルに達してない! ここにいちゃいけない!」みたいなことですか?
Kaede「容姿は全然足りてないっていうのは毎回思ってて。スタイルも悪いし顔も丸っこいし田舎くさいし、〈TIF〉は結構心が折れる感じ」
――そんな思いで出演してたんですか!
Kaede「ただ、自分たちがやってるステージには毎年自信がついてきてるので。毎年っていうか、今年に入ってからですかね、ちゃんと生歌でやってっていうところで」
――生歌になることについてはどういう思いがありました?
Kaede「私は最初からずっと生歌でやりたかったんですけど、そうもいかず被せの時期があって。生でやりたい気持ちもあるけど、そこまでうまくできるわけじゃない。歌もうまくないし、ダンスと一緒に器用にこなせるレベルにも達してなかったので、仕方ないと思ってやってたんですけど。でも、もともと生でやってたから、被せをやってしまったことによって、すごいレベルが落ちたのを自分でも感じていて。歌が歌えなくなったなっていうのが」
――どこかのタイミングで、これは被せでやったほうがクオリティーを保てるんじゃないかっていうことになったんですか?
Kaede「あまり覚えてないんですが(笑)、みたいな感じになったんですよね、たしか。でも、やってて楽しくないっていうのもあるし、かといって〈じゃあできる?〉ってなってもできる状況ではなかったというか、もうボロボロで。ただ、被せになっちゃうと被せに甘えて、全然声が出ないときとか、ホントに口パクに近い状態でもやったりしてたし。それをやることによって、ホントにどんどん落ちてっちゃったなっていうのがあって。ダンスに集中できてよかったなっていうのはありますけど、結局そのダンスに集中して歌はどんどんダメになっていって。これはやりがいもないなと思って」
――正直、かえぽのヴォーカルは不安定な部分もあるわけじゃないですか。それでもやりたかったですか?
Kaede「やりたかったですね。歌が好きなので、歌をやりたいってずっと思ってて。それなのに自分の録ってある声を通してしか見せられないっていうのが悔しいなと思ってました。だけど、どう歌っていいかわからないし、この歌い方だとずっとこんな感じだし。さあどうしようってなったときに、歌の先生をつけてほしいなって思って」
――ヴォーカル・レッスンしたいって話はずっとしてましたよね。
Kaede「そうですね。私もそうだし、母も〈どうにかなんないの?〉って言ってて、熊さん(マネージャー)に相談して、つけてもらえるようになったんですよ。いまでも全然失敗してますけど、最近になってやっと自分で今日は大丈夫だって安心して、怯えたりしないでステージに立てるようになってきてるし」
――だんだんよくなってるのはハッキリわかりますよね。
Kaede「ホントですか? それを聞けただけでうれしいです。いまは歌ってても楽しいなって思うし、もし失敗したとしても修正の仕方とかがなんとなく体でわかってきて」
――声がひっくり返っても動じなくなったというか、笑顔をキープしたままちゃんとやりきれてますよね。
Kaede「そうですね。昔だったら1曲目でスベッたら全部スベるっていうか、もう怖くて歌えない感じだったので」
――どんどん安定してきてると思いますよ。
Kaede「結局、精神的に弱かったなっていうのは思いますね。大学に通いながらやってたし、進路もどうしようっていうのがあって、いっぱいいっぱいだし、自分はどうしたらいいかわからないし、周りは〈就職どうすんの?〉とか言ってくるし。もう知らないよと思って。自分が一番自分のこと考えてない(笑)」
――いちいち進路で悩み続ける人生ですよね。
Kaede「ホントそうですよね」
――大学に進学するべきか悩んだ頃と違って、さすがに今回は就職しようって思いはなかったわけですよね。
Kaede「そうですね、就職しようとかは全然考えてなかったです」