ゲームのかわいらしさ
ダレ「今回は〈2〉と〈2.5〉が連続でリリースされたんだけど、スキットとかも入れて合計36トラックもあるんだな」
DG「日本盤はその2作がセットになってるのさ。3曲のボートラも入って、サンキューセットでお得だぜ!」
ダレ「50セントがいないのは予想通りだけど、西海岸の連中を中心に新旧の顔ぶれがうまく配置されてるね。『The Documentary』の名曲“Dreams”を手掛けてたカニエもいるし、バスタとやった“Like Father Like Son”の続編もある。ナズとQ・ティップも招いていて、NY色も入れ込んでる」
DG「ディディがビギーの代わりで、クイーンズの2人が50の代わりっていうつもりなのかもな」
ダレ「あと、TDEの勢揃いもいいよね。ジェイ・ロックの新作が騒がれないのはぶっちゃけ謎だけど」
DG「いまのケン坊の支持層からしたらそうなるだろ。で、ゲームはケンドリックとの“On Me”から始まって、アンダーソン・パークもいるし、キング・メズやジョン・コナーにも出番を与えて、うまく『Compton』の流れを活かす感じも出てるね」
ダレ「ドレーとアイス・キューブをフィーチャーした“Don’t Trip”もそうだな。またビートはドレーじゃないけど」
DG「そこにウィル・アイ・アムがいるのもポイントだろ。ウィルはイージー・Eの直弟子と言ってもいい存在だからな」
ダレ「それこそ“Compton”(2006年)での仕事もヤバかったよな!」
DG「ゲームはイージーへの憧れも相当なモンだからな」
ダレ「一瞬リル・イージーをクルーにしていたこともあったし」
DG「そうだな……で、一方ではシングル対応にドレイクとの“100”もあるし、デージ・ローフとの“Ryda”も日本盤ボートラになってる。決して短絡的な西海岸への思いだけで作られたブツじゃないね」
ダレ「結果的にヴァラエティーのある内容で、前作『Blood Moon:Year Of The Wolf』以上にコンピっぽくもあるけど」
DG「〈傑作を作ろう〉みたいなノリでやってないのがイイんだと思うぜ。やたら効率的に〈決定的なモノ〉だけを好むタイプの人には合わないのかもしれないけどさ」
ダレ「本人にとっては、いまこのタイミングで出すこと自体が重要だったんだろうし」
DG「〈いや、コンプトンの後継者ったらオレでしょ! 10年前からそう言ってるし!〉って言っておきたかったんだろうな」
ダレ「そう思うとやっぱり、ゲームは可愛いとこがあるよ。最高だ」
DG「これはそんなことを適当に思いながらダラダラ流して燃えるのが正解だな!」