まだまだディグりたい! アニメ/特撮のグル―ヴィーな銀盤たち

大野雄二 ルパン三世 オリジナル・サウンドトラック コロムビア(1978)

新TVシリーズの音楽も手掛けている大野雄二。これは第2期のサントラ第1弾で、アニメ系レア・グルーヴの教典的名作だ。マーヴィン・ゲイ“I Want You”的なシルキー&メロウ曲からアーバンなジャズ・ファンクまで、YOU & THE EXPLOSION BANDの演奏が冴え渡る傑作を満載している。

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Yuji Ohno & Lupintic Sixteenによる“ルパン三世のテーマ '78”パフォーマンス映像

 

 

山下毅雄 アニメ・ミュージック・カプセル「ガンバの冒険」 Solid(2008)

〈プレイガール〉や〈ルパン三世(第1期)〉などジャズを基調としたモダンな作風が人気のヤマタケ。サンバをベースにディキシー・ジャズ調でまとめた主題歌が有名なこの75年の名作アニメの劇伴も、彼の幅広い趣向性が色濃く反映されている逸品。全編で流れる本人の口笛もお洒落で最高。

 

 

渡辺宙明 放送35周年記念 人造人間キカイダー・キカイダー01 MUSIC-BOX コロムビア(2007)

先ごろ卒寿を迎えた渡辺宙明の黄金期とも言える70年代の充実した仕事ぶりを伝える3枚組。ハモンドが唸りフルートが軽やかに舞う“サイドカーの爆音”など、ブラック・ムーヴィー風の劇伴が特にイカしてる。ティンパニが乱舞する主題歌系は全部イケてるぞ。

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VARIOUS ARTISTS 宇宙刑事シリーズ ソングコレクション~FOR NEXT GENERATION~ コロムビア(2014)

レア・グルーヴ視点で渡辺宙明サウンドを捉え直すなら、〈メタルヒーロー〉モノの音楽もジャストなはず。この主題歌集には“電光石火ギャバン-DISCO GAVAN-”など煌びやかな16ビート系が並ぶ。尾崎紀世彦のアーバンで蕩けるバラード“星空の街を歩こう”も。

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冬木透 太陽の牙ダグラム 総音楽集 スターチャイルド(2015)

「ウルトラセブン」でみせたクールなタッチが特撮ファンから人気の高い冬木透。この81年より放送されたSFアニメのサントラには、彼の得意とする勇壮で哀愁満点のメロディーが横溢。そんななか、パーカッションの響きが妖しげな雰囲気を醸す“偵察”や“カウントダウン”などサスペンスフルな曲が光る。

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津島利章 プロレスの星 アステカイザー MUSIC COLLECTION コロムビア(2015)

〈仁義なき戦い〉や〈殺人拳〉シリーズで知られる津島利章が手掛けた、76年放送のプロレス特撮モノ。子門真人が歌うラテン・ロック調のテーマ曲やワウ・ギターをフィーチャーしたファンキー・チューンなど、70年代の東映映画を想起させるホットでワイルドな曲がてんこ盛り。

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鈴木宏昌&コルゲンバンド トリトン 蛙プロダクション/Solid(1979)

タモリの「今夜は最高!」にレギュラー出演していたジャズ・ピアニストのコルゲンこと鈴木宏昌が、自身の手掛けたアニメ「海のトリトン」の劇伴をバンドと再録した隠れた名盤。渡嘉敷祐一のシャープなドラミングが光るジャズ・ファンク“咆哮”など、目の覚めるような名演が詰まっている。

 

 

真鍋理一郎 血を吸う音楽 -東宝「血を吸う」シリーズ音楽集- CINEMA-KAN(2015)

「ゴジラ対ヘドラ」でのサイケなアプローチが忘れられない真鍋理一郎による、70年代に人気だった怪奇映画シリーズの劇伴集。本格的なゴシック・ホラーの香り漂うおどろおどろしい調べが続くなか、ラウンジーなボサノヴァ・ナンバーが時々顔を出す。可憐な表情を浮かべたこれらの曲はいずれも美味なり。

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堀江美都子 堀江美都子 レア・グルーヴ・トラックス コロムビア(2014)

アニソン女王のミッチが残してきた膨大な楽曲のなかから、筒美京平のセンスが大炸裂した“美しきチャレンジャー”、穂口雄右のペンによる極上ソフト・ロック“イッチとエッチ”など、イケてる和モノ系をチョイスしたコンピ。〈アンデス民謡 meets ファンク〉な“クムクムのうた”とかカッコ良すぎ。

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