Page 3 / 8 1ページ目から読む

東京スカパラダイスオーケストラ

会場はお祭り騒ぎ、フェスを彩るノー・ボーダーな楽園

〈CAVE STAGE〉の2番手は東京スカパラダイスオーケストラ。観客の手拍子を浴びてメンバーが登場すると、谷中敦(バリトン・サックス)が拳を空に掲げて観客から大歓声が巻き起こる。まずは4カウントで“ルパン三世 ‘78”へと突入すると、会場は早くも〈オイ! オイ!〉とコールを返して序盤からフルスロットルだ。すぐさま“DOWN BEAT STOMP”のイントロでホーン隊が躍動すると、お馴染みのキャッチーなメロディーと真夏を感じさせる陽気な雰囲気が会場いっぱいに広がっていく。

その後、両サイドのホーン隊が台に乗って会場を煽ったり、続く“ペトラーズ”ではフロントに陣取ったメンバー全員でダンスを合わせる。観客を一時も退屈させないステージ進行は、まさにライヴ巧者ならではの横綱相撲だ。そしてここで一旦MC。〈今回の初出演、楽しみにしてきました。世の中いろんなことがあるけど、音楽が響いている間は思いっきり幸せを感じてほしいんだよ!〉、そう熱く語りかけて始まった“ゴッドファーザー愛のテーマ”では、GAMO(テナー・サックス)と谷中がソロ合戦で盛り上げて一旦タメを作ると、茂木欣一のドラムスを合図にふたたびダンス・タイムへ! 25周年記念ツアーのタイトルにもなった“SKA ME CRAZY”が始まる頃には、会場はもはやお祭り騒ぎといった雰囲気で盛り上がる。

さらに“Pride of Lions”では観客の群れにサークルも登場した。ラストは〈楽園に国境はないという曲をやります。We are 東京スカパラダイスオーケストラ!!!〉と告げて“Paradise Has No Border”を演奏。メンバー紹介を終えたGAMOが茂木の陣取るドラム・セット付近からジャンプを決めてライヴは終了した。おそらく会場には、普段彼らの音楽を聴かないリスナーもいたことだろう。しかし、音楽にはジャンルを越えてわかり合える何かがある。そんな魅力を体現するかのように、スカにさまざまな音楽を採り入れてノー・ボーダーな楽園を描き続けてきたスカパラらしいステージだった。 *杉山 仁

SET LIST
1. ルパン三世'78
2. DOWN BEAT STOMP
3. ペドラーズ
4. ゴッドファーザー愛のテーマ
5. SKA ME CRAZY
6. Pride of Lions
7. Paradise Has No Border