〈壁を壊す〉を合言葉に、SiMの声掛けのもと、百戦錬磨のライヴ・バンドが音楽ジャンルも年齢も越えて一堂に会すイヴェント〈DEAD POP FESTIVAL 2016〉。大雨に見舞われながらも、そんな天気を味方に付けるかのように大盛り上がりだった初日に続く2日目は快晴! 神奈川・川崎市東扇島東公園でスタートしています。今日もMikikiでは、〈CAVE STAGE〉〈CHAOS STAGE〉に登場するすべてのアクトをレポートしていきますよ!

〈DPF 2016〉初日のレポート
★〈CAVE STAGE〉
★〈CHAOS STAGE〉

そしてこのページでは〈CHAOS STAGE〉のパフォーマンスをお届け! 04 Limited SazabysやMy Hair is Badら若手の注目株から、最新作を引っ提げたツアーで全国を回ってきたThe BONEZまで、観どころたっぷりです! *Mikiki編集部

【レポート目次】
★No Gimmick Classics
★SHIMA
★My Hair is Bad
★04 Limited Sazabys
★Crystal Lake
★Dizzy Sunfist
★The BONEZ

★〈CAVE STAGE〉のレポートはこちら

photo by Yuji Honda

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No Gimmick Classics

骨太でグルーヴィー、色気も漂わせるアンサンブルで観客を魅了

〈DEAD POP FESTIVAL 2016 "CHAOS STAGE" AUDITiON〉を経て、見事オープニング・アクトの座を勝ち取った3人組、No Gimmick Classics。〈マジで楽しみましょう!〉というHIЯOM.S(ギター/ヴォーカル)の掛け声を合図に、“memory lane”でスタート。グルーヴィーな音色を生み出す神崎峻(ベース)、タイトなリズムを刻み続けるオビナタユウサク(ドラムス)、そこにHIЯOM.Sの軽やかなラップが乗り、自然と身体が動くロック・サウンドが心地良い。

続いてオシャレなカッティング・ギターを用いた“ONEDAY”へ。この曲ではラップとメロウな歌メロを駆使し、いきなりダビーでドープな世界に導いたかと思えば、フリースタイルでラップを挿入するなど、自由度の高い曲調で観客を沸かせた。

〈早い時間に来てくれて、ありがとう!〉と改めて感謝の気持ちを述べると、次は“Иyce DREAM”だ。今度はソウルフルなヴォーカルで存分にその魅力を見せつけ、彼女や家族、友達といった自分の身の回りに人たちに向けた想いをラップで伝える同曲に、多くの人たちが聴き入っていた。
そしてラスト“PPH”に入ると、HIЯOM.Sと神崎がステージ中央で向き合い、レッド・ホット・チリ・ペッパーズばりにフィジカルなアンサンブルを聴かせる。骨太かつグルーヴィー、加えてスタイリッシュな色気さえ漂わせる3人のサウンドは多くの観客を魅了していた。 *荒金良介

SET LIST
1. memory lane
2. ONEDAY
3. Иyce DREAM
4. PPH

 

SHIMA

楽しむしかない方向へオーディエンスを導く、振り切れたポップセンス

6月15日にファースト・フル・アルバム『WARAINBOW』をドロップし、現在は目下レコ発ツアー中のSHIMAが、〈CHAOS STAGE〉の一番手として登場。〈ありがとうございます〉を起源にした〈ザイマス〉というポップな言葉をキーワードに、楽しませることにかけては天下一品の彼ら。このお祭りの口火を切るのに相応しいバンドであろう。

勢い良くステージに現れ、そのままライヴをスタートさせるかと思いきや、〈ザイマス〉のコール&レスポンスでまずはジャブを入れ、ダンサブルに攻め立てる“TRILOGY”と、モッシュもダイヴもダンスもすべてを巻き起こす“STORY”を立て続けに投下。熱気をより高めたところで、『WARAINBOW』でも格別な存在感を示し、サビでとにかく名字や地名を羅列するという、彼らにしか鳴らせない“FUSUMA”を放った。この振り切れたポップセンス。普通じゃ気付くことのできない扉を開けつつ、その絶妙なテンポとノリも相まって、オーディエンスの笑顔に埋め尽くされて大熱狂。もう楽しむしかない方向へと自然に導いていく。加えて、彼らの楽曲は実に高性能。メロディックもハードコアもポップスもダンスも全部取り込み、どのアプローチにもどこかしら聴く者が引っ掛かるフックを仕込んでいる。想いと音がしっかりと合わさった結果、このような光景を描くことができているのだ。

その後も抑揚をつけながら攻め手を緩めることなく突き進み、ラストはEGACCHO(ヴォーカル)が〈いろんなヤツがいるけど、そのなかで自分自身がいちばんカッコイイと思える人生にお互いしようぜ〉と叫び、悔いを残さぬようにとメンバーが躍動しまくった“USUAL THINNGS”。激しくも多幸感に満ち溢れたステージだった。 *ヤコウリュウジ

SET LIST
1. TRILOGY
2. STORY
3. FUSUMA
4. PARISLOTTE
5. NO PUNCH, NO LIFE!!
6. REWARD
7. USUAL THINNGS

 

My Hair is Bad

観客の懐に一瞬で飛び込む、鋭い歌詞とサウンドが刺激的

〈晴れて良かったね。みんなの胸を焦がしに来ました!〉と椎木知仁(ギター/ヴォーカル)が言うと、〈ブラジャーのホックを外す時だけ〜♪〉の歌い出しがインパクト抜群な“真赤”でライヴは始まった。椎木、山本大樹(ベース/コーラス)、山田淳(ドラムス)の強固なトライアングルに〈CHAOS STAGE〉は早くも沸騰! そして“アフターアワー”に入ると、青空を横切る飛行機を指差して、〈あの飛行機みたいに飛びたい。ドキドキしたい!〉と叫ぶ場面もあるなど、突如として何を言い出すかわからない〈ライヴ感〉も彼らの魅力と言えるだろう。

“元彼氏として”を挿み、ヘヴィーなリフを用いた“マイハッピーウェディング”を披露。すると椎木はステージから降りて、眼前の観客に熱く語りかける。〈新潟県上越市から来ました!〉と言った後、自身の生年月日や、SiMとは7~8年前に出会ったこと、さらに赤裸々すぎるぶっちゃけた物言いも交えた長めのMCで多くの人の心を鷲掴みにする。そんなMCの余韻を残して“フロムナウオン”へと雪崩れ込む展開には心底シビれた。即興のラップ/語りと歌メロを絡ませた凄まじくエモーショナルな曲調で、間違いなく今日のハイライトのひとつと言える大フィーヴァーぶりだ。

後半は椎木のメロディアスな歌声が光る“夏が過ぎてく”、そしてラストは怒濤のショート・チューン“クリサンセマム”で鮮やかにフィニッシュ。型にハマらず観客の懐に一瞬で飛び込む鋭い歌詞とサウンドが、何より刺激的だった。 *荒金良介

SET LIST
1. 真赤
2. アフターアワー
3. 元彼氏として
4. マイハッピーウェディング
5. フロムナウオン
6. 夏が過ぎてく
7. クリサンセマム

 

04 Limited Sazabys

バンドの好調さを裏付ける、前のめりのエネルギーで爆走

前日に、セカンド・シングル『AIM』を携えた〈AIM tour 2016〉のファイナル公演を満員御礼の東京・豊洲PITにて最高の形で締め括った、名古屋発の4ピース・メロディック・バンド、04 Limited Sazabysが〈CHAOS STAGE〉に登場。この1年の間にパンク/ラウド系からロック/ポップス系フェスまで、さまざまなイヴェントに出演し、しっかり新たなファンを獲得、自分たちのツアーへと引っ張り込んでいる状況だ。とにかく、いいライヴが続いている。そして初参加となった今回の〈DPF〉、GEN(ベース/ヴォーカル)いわく、〈この間の対バン・ツアーでSiMに出てもらって、正直こてんぱんにやられました。今日はやり返そうと思います〉と、4人共に相当力が入っている。前日のツアー・ファイナルの良い余韻も、確実に背中を押しているのだろう。

のっけの“Remember”、続く“fiction”と、ドライヴ感のあるアンサンブルでオーディエンスを乗せていく。KOUHEI(ドラムス/コーラス)の生み出すアグレッシヴなビート、HIROKAZ(ギター)とRYU-TA(ギター/コーラス)による重厚なギター・アンサンブルが気持ち良く、その音の馬力でハイトーンのGENのヴォーカルと爽快なメロディーが会場を駆け抜けていくのが最高だ。

〈DEAD POP FESの沸点、絶頂に達したい〉というGENの言葉に続いてプレイした“monolith”ではサークルが出来、あちらこちらでペットボトルの水しぶきが上がって日差しにキラキラと光る。〈SiM、こんないい場所に立たせてくれて、ありがとう〉とGENは言い、自分たちも主催フェス〈YON FES〉を立ち上げたこと、〈DPF〉をはじめ、10-FEETの〈京都大作戦〉、HEY-SMITHの〈HAZIKETEMAZARE〉といったイヴェントがとてもいい影響となっていることを語った。そして〈下の世代に、高い壁としてその背中を見せてくれる〉と付け加えると、迸る想いをそのまま音に託し、〈もっともっと行ってみる?〉とみずからの背中を押すように“climb”“swim”へ、微塵もスピードを緩めず加速する。いまのバンドの勢いと前のめりのエネルギーそのまま、と言える爆走を見せた04 Limited Sazabysだった。 *吉羽さおり

SET LIST
1. Remember
2. fiction
3. cubic
4. monolith
5. nem...
6. midnight cruising
7. climb
8. swim

 

Crystal Lake

凄まじい轟音を響かせた、純度の高いハードコアで圧倒

群雄割拠のラウド・シーンにおいて、多方面から俄然注目を集めているCrystal Lakeが昨年に続き登場。冒頭の“Prometheus”から驚異的な盛り上がりだ。すべてを巻き込もうと叫びまくるRyo(ヴォーカル)を筆頭に、キレッキレの動きと精度の高いサウンドを展開。“Matrix”では〈オレらを喰らえ!〉と言わんばかりにフルスイングで攻め立て、オーディエンスからも〈Tonight!〉と大きなシンガロングが巻き起こる。余計なモノを削ぎ落とした純度の高いハードコアを隅々にまで鳴り響かせた。

さらに、凄まじい轟音が思いっきり押し寄せてくるのだが、決して一方通行ではないところも彼らの魅力のひとつ。Ryoは常に〈拳を上げろ!〉〈身体を揺らせ!〉とオーディエンスに呼びかけ、共生を求める。手を取り合おうという、その真摯な姿が実に頼もしい。

全員で遊べる曲を、という投げかけから大きな波を作ったビースティ・ボーイズ“Body Movin'”、Kenta Koie(Crossfaith)が乱入してステージ前方へとオーディエンスが押し寄せまくった“Beloved”と続いたこともあって、ここがこの日のピークかと思いきや、〈どんな困難も乗り越えてきた、この曲と共に。次に出る時はCAVE STAGEで会いましょう〉とバンドとしてのステップアップを高らかに宣言。“The Fire Inside”でより高みへ駆け上がる。生命力漲るバンドの姿を見せつけるライヴであった。 *ヤコウリュウジ

SET LIST
1. Prometheus
2. Matrix
3. Mercury
4. Body Movin'
5. Beloved
6. The Fire Inside

 

Dizzy Sunfist

熱い想いを込めた気迫溢れるプレイで会場が一体となった、感動的なステージ

〈DPF〉2日目の紅一点バンド(ドラマーは男性だが)、Dizzy Sunfistは昨年に続いての登場。あやぺた(ヴォーカル/ギター)によるお馴染みの絶叫MC、その第一声は〈昨年とは比べものにならないバンドになったということを、この30分で証明して帰ります!! 大阪・堺、メロディック・パンク代表、Dizzy Sunfist!!〉という力強いものだった。この高らかな宣言に、〈CHAOS STAGE〉は凄まじい歓喜の大合唱やハンドクラップが巻き起こる。そしてオーディエンスの熱い想いもしっかりと背負って、“119”“SUPERHERO”“Dizzy Beat”と連発していく。あやぺたといやま(ヴォーカル/ベース)がノイジーに楽器を掻き鳴らして鮮やかなメロディーを響かせ、もあい(ドラムス/コーラス)が超高速ビートで援護射撃する。スピードはどんどん上がっている気がするが、気迫のあるプレイで空回ることなく歯切れ良く聴かせていくのが気持ちいい。

中盤は“SULLEY”や“Piece Of Cake”など軽快でダンサブルな曲で攻め、“Tonight,Tonight,Tonight”ではオーディエンスが両手を高く挙げて、歌い踊る。えぐるようにソリッドなビートやサウンドで攻めつつ、泣きのあるグッド・メロディーで心を確実に撃ち抜いていくのもまた、Dizzy Sunfistだ。続く“Someday”はその真骨頂。SiMへの感謝を語りながら、〈みんなに認めてもらえるように、Dizzy Sunfistの名が今日出ているバンドのなかに埋もれないように、名前を残して帰りたい〉をあやぺたが語り、全身全霊をかけての“Someday”へ――会場が一体となってのシンガロングは感動的だった。

ラスト2曲“SHOOTING STAR”と“FIST BUMP”は、さらに超高速のアグレッシヴなアンサンブルで、〈CHAOS STAGE〉を爆発させた。最後にあやぺたが客席へとダイヴし、オーディエンスに担がれるようにしてガッツポーズを決めた瞬間の笑顔に、このライヴのすべてが出ていたと思う。 *吉羽さおり

SET LIST
1. 119
2. SUPERHERO
3. Dizzy Beat
4. SULLEY
5. Joking
6. Piece Of Cake
7. Tonight,Tonight,Tonight
8. Someday
9. SHOOTING STAR
10. FIST BUMP

 

The BONEZ

観客それぞれの心に湧いた感覚へ身を投じる、エモーショナルなステージ

夕暮れに差し掛かり、〈CHAOS STAGE〉もいよいよトリのThe BONEZを残すのみ。照明が落ちた瞬間、一気にオーディエンスから盛大なハンズクラップが湧いた。その様子を感じたからなのか、JESSE(ヴォーカル/ギター)が深々と一礼し、“To a person that may save someone”でスタート。リズムとメロディーの絡みだけに留まらず、言葉ひとつひとつを大切に紡ぐ歌も秀逸。温もりのあるJESSEの声がたまらない。

ゆったりとした出だしになるかと思いきや、タイトル・コールを放った“Place of Fire”で状況は一変。特別に激しいリズムではないのだが、その想いの温度が凄まじく高いこともあって、前へ前へと人が押し寄せ、熱気が撹拌されていく。その後も決して攻め手を緩めず、“Zenith”や“Friends”といったスケール感のある楽曲を矢継ぎ早に放ち、確かな技術で互いの個性がせめぎ合うサウンドを見せつけ、ラストは〈SiM、後は頼んだぞ!〉というJESSEの大きな声から“Thread & Needle”へ。

観る者すべてが解放され、思い思いに音へ身も心も委ねる。後方にはステージを見守る人もいれば、無邪気に駆け回る人もおり、前方は人と人が重なりまくる混沌とした様相だ。観客それぞれの心に湧き上がった感覚へ、素直に身を投じる。会場全体を包み込むようなシンガロングも美しく、〈CHAOS STAGE〉を締め括る相応しい空気だ。ライヴ中、JESSEが何度か語った〈目に見えないモノを信じてほしい〉という言葉。それが具現化されたひとつの光景が、眼前に広がっていた。 *ヤコウリュウジ

SET LIST
1. To a person that may save someone
2. Place of Fire
3. Zenith
4. louder
5. Adam & Eve
6. Friends
7. Thread & Needle