The BONEZ
観客それぞれの心に湧いた感覚へ身を投じる、エモーショナルなステージ
夕暮れに差し掛かり、〈CHAOS STAGE〉もいよいよトリのThe BONEZを残すのみ。照明が落ちた瞬間、一気にオーディエンスから盛大なハンズクラップが湧いた。その様子を感じたからなのか、JESSE(ヴォーカル/ギター)が深々と一礼し、“To a person that may save someone”でスタート。リズムとメロディーの絡みだけに留まらず、言葉ひとつひとつを大切に紡ぐ歌も秀逸。温もりのあるJESSEの声がたまらない。
ゆったりとした出だしになるかと思いきや、タイトル・コールを放った“Place of Fire”で状況は一変。特別に激しいリズムではないのだが、その想いの温度が凄まじく高いこともあって、前へ前へと人が押し寄せ、熱気が撹拌されていく。その後も決して攻め手を緩めず、“Zenith”や“Friends”といったスケール感のある楽曲を矢継ぎ早に放ち、確かな技術で互いの個性がせめぎ合うサウンドを見せつけ、ラストは〈SiM、後は頼んだぞ!〉というJESSEの大きな声から“Thread & Needle”へ。
観る者すべてが解放され、思い思いに音へ身も心も委ねる。後方にはステージを見守る人もいれば、無邪気に駆け回る人もおり、前方は人と人が重なりまくる混沌とした様相だ。観客それぞれの心に湧き上がった感覚へ、素直に身を投じる。会場全体を包み込むようなシンガロングも美しく、〈CHAOS STAGE〉を締め括る相応しい空気だ。ライヴ中、JESSEが何度か語った〈目に見えないモノを信じてほしい〉という言葉。それが具現化されたひとつの光景が、眼前に広がっていた。 *ヤコウリュウジ
SET LIST
1. To a person that may save someone
2. Place of Fire
3. Zenith
4. louder
5. Adam & Eve
6. Friends
7. Thread & Needle