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メンバーの過去を簡単におさらい!

 ナスリを紹介する際に必ずと言っていいほど出てくる〈メッセンジャーズ〉っていったい何なの? これは彼が同じトロント出身のアダム・メッシンガーと2000年代半ばに組んだプロデューサー・チームのことで、主にナスリが作曲を、アダムがアレンジやビート・プログラミングを担当。彼らの歴史を語るうえでまず外せないのが、2008年のニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック仕事でしょう。ナスリがメンバーのドニー・ウォールバーグへ送ったデモをきっかけに、NKOTBは再会。ナスリ&アダム製の復活第1弾シングル“Summertime”へと繋がります。そして翌年頃から2人はメッセンジャーズを名乗りはじめ、クリス・ブラウンの『Graffiti』(2009年)、ジャスティン・ビーバーの『My Worlds』(2010年)、またまたクリスの『F.A.M.E.』(2011年)と、関与したアルバムが立て続けに大ヒット+グラミーにもノミネート。アーバン系のダンス・ポップ職人としてシーンの最前線に躍り出て、以降もピットブルウォンテッドイギー・アゼリアらの作品で腕を振るってきました。マジック!結成を機にコンビでの仕事数を減らしている模様ながら、初作に続いて『Primary Colours』も彼ら2人によるプロデュースです。

ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの2008年作『The Block』収録の"Summertime"
 

 このようにネームヴァリューのある人なので、どうしてもナスリにばかり注目してしまいがちですが、他の3人もツワモノ揃い。かつてマークとアレックスはジャスティン・ノヅカのバック・メンバーとして活動し、その傍らで前者はオリー・マーズトレイ・ソングズらに曲を提供、後者はアンソニー・ハミルトンをプロデュース。ベンはアリッサ・リードやラッパーのケイオスのツアー・バンドを経て、ソロ作品を発表したり、ジュリアン・テイラー・バンドに加入したり。マジック!から滲み出るソウルやファンク要素は、演奏者それぞれが重ねてきたキャリアの賜物と言えるでしょう。 *山西絵美