wrap around her words
[緊急ワイド]女性ラップ、百花繚乱
それぞれのスタイルと言葉を携えて、彼女がマイクを握りはじめた!
S7ICKCHICKs
渋谷ガールズをレペゼンする人気ユニットがふたたび唇を開いて……
女性ラッパーを増やすきっかけになったのかどうかは今後わかっていくことだとして、少なくとも彼女たちの出現がここしばらくの(フィメール云々ではなく)日本語ラップ・シーンを触発し、賑やかにしたということは現時点でも確かだろう。東京は渋谷発のユニットとして脚光を浴びたS7ICKCHICKs(スリックチックス:通称スリチク)は、ふだんはソロで活動するAYA a.k.a PANDA、LIPSTORM、AYA(シンガー)、CASPER、FUZIKOが集まった5人組である。
もともと2014年にISH-ONEの“NEWMONEY female REMIX”を作った際に顔を揃えた彼女たちだが、同曲がYouTubeで100万回超えの再生数を叩き出したこともあって、正式にグループとして結成。ISH-ONE率いるTEAM2MVCHのプロデュースを受けてグループとしての初シングル“DROP GEM ON YA”を発表し、勢いに乗って投下したアルバム『LIPS7ICK』も評判になった。昨年夏にはファン投票1位を獲得してZeebra主催の夏フェス〈SUMMER BOMB〉に出演を果たしたり、先日ソロ作を発表したLIPSTORMのようにグループへの注目が個々の活動にも還元されるなか、このたびおよそ2年ぶりとなるセカンド・アルバム『G7OSS』が登場することになったというわけだ。
今回もTEAM2MVCHが完全バックアップを担当し、ハイフィー風に明滅するスナップ・ビート上で個々が唇を競う配信シングル“My chicks”からもわかるように、基本ラインとなる全体の作りは変わらない。ただ、ツアーを経験してきたことも関係あるのか、コラボ・プロジェクトというよりも〈グループ〉としての一体感がさらに感じられる作りになっていて、結果的にそれぞれの持ち味もシンプルに見えやすくなった。小気味良いネタ曲の“Gone girl”のように洗練された曲もあれば、パーティー・ハードな気分でブッ飛ばす“Pretty B”、メランコリックなラヴソング“No more”……とトピックの振り幅も多様で、同性も異性も惹き付けるカッコ良さはパワーアップしている。これは注目! *出嶌孝次