USゴスペル界のカリスマ、カーク・フランクリンという名前を聞いたことがなくとも、チャンス・ザ・ラッパー『Coloring Book』(2016年)の収録曲“Drown”やカニエ・ウェスト『The Life Of Pablo』(2016年)の冒頭を飾った“Ultralight Beam”などで、ソウルフルな歌声を響かせていたシンガーと言えば、ピンとくるリスナーも多いだろう。

2016年の音楽シーン特有の豊潤さと革新性をレプリゼントした上記2作に通底する、厳かで神聖なムード――それらをもたらすうえで、多大な貢献を果たしていたカーク・フランクリンは輝かしい功績と共に、ある意味でいまの時代を象徴する〈ヴォイス〉の持ち主と言えるのではないか。そんな同時代性をも帯びた稀代のシンガーが、2017年1月31日(火)と2月1日(水)~2日(木)にBillboard-LIVE Tokyo、2月3日(金)~4日(土)にBillboard-LIVE Osakaで来日公演を行う。

『Coloring Book』収録曲“Drown”

『The Life Of Pablo』収録曲“Ultralight Beam”のパフォーマンス映像
 

カークは10代前半に聖歌隊の一員としてキャリアをスタート。93年にデビューして以降は、ルーツにあたるゴスペルとコンテンポラリーなR&Bをブレンドした音楽性を深めていき、ニュー・ネイションズ・プロジェクト名義での98年作『The Nu Nation Project』は、全米ゴスペル・チャートでなんと50週以上も1位を記録。総合チャートでも最高7位まで上り詰めた。さらに、U2のボノやメアリー・J・ブライジがゲスト参加した同作収録曲“Lean On Me”は、グラミー賞のソング・オブ・ザ・イヤーにノミネート。ゴスペル/ポップ・シーン双方で存在感を不動のものとする。

『The Nu Nation Project』収録曲“Lean On Me”
 

その人気はいまなお陰ることなく、2015年の最新作『Losing My Religion』はゴスペル・チャートでの首位はもちろん、ビルボード総合でも10位にランクイン。エモーショナルなソウル・サウンドと開放的なヴァイブスに溢れる同作で、カークは宗派や信仰を超越した〈愛〉の尊さを歌い上げ、昨今の世界情勢を鑑みつつもポジティヴィティーを貫かんとするパワフルなメッセージが称賛を集めた。また、ファレル・ウィリアムズによってトラップ・ビートが配された同作収録のシングル“123 Victory”のリミックスも記憶に新しい。

『Losing My Religion』収録曲“Wanna Be Happy?”
『Losing My Religion』収録曲"123 Victory" のファレルによるリミックス
 

そして、2016年のめざましい活躍は冒頭に述べたとおり。キャリア25年を目前にして、カーク・フランクリンがこれまで以上のカリスマ性を帯びているのは間違いないだろう。クワイア隊と凄腕バンド(今回ドラムスを叩くのは、スナーキー・パピーのロバート "スパット"シーライト!)を従えた、エンターテインメント性の高いライヴは必見だ。時代が必要とする歌声を、ぜひ生で体感してほしい。

 


LIVE INFORMATION
カーク・フランクリン
2017年1月31日(火)、2月1日(水)、2月2日(木)Billboard-LIVE Tokyo
1stステージ:開場17:30/開演19:00
2ndステージ:開場20:45/開演21:30
サービスエリア 12,000円/カジュアルエリア 10,500円
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2017年2月3日(金)Billboard-LIVE Osaka
1stステージ:開場17:30/開演18:30
2ndステージ:開場20:30/開演21:30

2017年2月4日(土)Billboard Live OSAKA
1stステージ:開場15:30/開演16:30
2ndステージ:開場18:30/開演19:30
サービスエリア 12,000円/カジュアルエリア 11,000円
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