INTERVIEW

本多俊之『DINOSAX』 自身の音の集大成であり、未来への提案であり、大切なものへのオマージュ…

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  • 2017.07.04
本多俊之『DINOSAX』 自身の音の集大成であり、未来への提案であり、大切なものへのオマージュ…

自身の音の集大成であり、未来への提案であり、大切なものへのオマージュ…

 ジャズ評論家の父親の影響でジャズ奏者を志し、学生時代からライヴハウスの朝の部で能力を発揮しだした。世はフュージョン時代に入り、その方面で様々な交流を持ちながら、アングラの女王と呼ばれた歌手との対極的コラボでも才能を開花させる。ご存じのようにその後関わる映画・演劇・TV界の作曲家としては、巨匠と言っていい本多俊之(sax)である。

 「僕には、初めからジャンルに対する意識がないんです。人生前向きでいきたいと思っていて、音楽についても、それが排他的でなければぞっこん関わっていきたい。そして映画界で認められだした頃、さらに僕を前向きにしてくれる出来事と遭遇します」

 85年に出会ったクラシック界の神童・須川展也が、その数年後サックスの四重奏を立ち上げたのだ。旗揚げ興行へ出向いた本多は、閉鎖的なジャズに反し、そこで聴く自由な音楽に雷に打たれたようになった。従来のクラシックでは敵わない発音の壁をクリアし、ジャズの奏法では届かない豊かな木管アンサンブルを実現していた。先を越された悔しさが先行したものの、90年代に入り委嘱を受けてそのトルヴェール・クヮルテットに作品を提供し、共演をした時、ともに未来を憂える同志となっていた。

 「彼らとはアルバムも作ったし、いろんなイヴェントへも出演し、僕の音楽観はさらに高次元なものになっていきました。そしてイヴェントへの作品委嘱を通し、吹奏楽の分野にも足を踏み入れることになります。そこで自衛隊の音楽隊と共演し、思わず彼らの高い技術と、広大なる可能性に触れるわけです」

本多俊之 DINOSAX s&a sax(2017)

 そんな吹奏楽のイヴェントで次に高校の吹奏楽団と知り合い、彼女たちの柔軟な駆動力を目の当たりにして惚れ込んだ。本多は4月に還暦を迎えた。そこで自分が思う音楽の“集大成”であり、未来の音を見据えた“提案”であり、最も大切にするものへの“オマージュ”を作品にしたためようと考えたのだ。

 「100人を超す浜松海の星高校(現・聖星高校)と東海大学付属高輪台高校の吹奏楽部員と、常識では考えられない方法で録音をしました。櫻井哲夫(b)と川口千里(ds)のソリッドなリズムも加えた、吹奏楽でやるコンチェルト風ジャズ・フュージョン。これが吹奏楽というジャンルに入るかなんてことはどうでもよく、僕自身は『どうだ!』っていう気持ち(笑)。そこにトルヴェールとの室内楽パートが綾をなし、作品を通してストーリーに編み込まれていく。すべてが僕の趣味である“恐竜”を主題とする物語の一場面であり、昨年亡くなったトルヴェールのテナー奏者、新井靖志くんへの祈りで構成しています」

 


LIVE INFORMATION

還暦ライブ!
○8/4(金)ジャズセッション
○8/5(土)フュージョンセッション
会場:大阪・ROYAL HORSE
○8/9(水)featuringトルヴェール・クヮルテット&ピアノ
○8/10(木)featuringスペシャル・クヮルテット其の1
○8/11(金)featuringスペシャル・クヮルテット其の2
○8/12(土)featuringバーニングウェイブ・クヮルテット&ギター
会場:東京・PIT INN
dinosax.net

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