INTERVIEW

ライリー・ウォーカー『Golden Sings That Have Been Sung』 シカゴのジャズ~エクスペリメンタルシーンとも繋がるシカゴ音楽の申し子

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  • 2017.07.28
写真提供/COTTON CLUB   撮影/山路ゆか

シカゴの音楽系譜の最先端にいるのは彼かもしれない~初来日公演で熱唱!

 60年代初頭のフォーク・ブームの頃、デヴィッド・クロスビーとテリー・キャリアーはレコード・デビューを夢見ながら、ニューヨークでデュオとして活動していた。その夢は実現しなかったが、“ジャズ・フォーク”の礎を築いたのは、彼らやフレッド・ニール、ティム・ハーディンだ。イリノイ州出身のライリー・ウォーカーは、ジャズ・フォークの系譜を汲む自作自演歌手で、しかも英国フォークの影響も色濃い。ちなみにライリーは昨年、ニック・ドレイクやジョン・マーティンと活動したことがある伝説的なダブルベース奏者ダニー・トンプソンと一緒にツアーをした。

 「10代前半の頃はパンク・バンドをやっていたこともあるけど、音楽に没頭していくうちに静かで心を癒してくれるフォークに惹かれるようになった。ジョン・フェイヒーやバート・ヤンシュ、ティム・バックリィ、カレン・ドールトン……もちろんニック・ドレイクやジョン・マーティンは、僕の音楽観を変えてくれた重要な存在だ。ダニーと知り合ったきっかけは、どうやら彼の息子が僕のレコードを聴かせたらしく、それで興味を持ってくれて、一昨年の暮れにメールで連絡してくれた。ダニーはもう70代後半の高齢者だけど、ものすごく頭の切れる人で、しかも今でも観客の前で演奏できることがどんなに幸せかということを噛みしめながら演奏している。だからひとつひとつのライヴを真剣にやらなければいけない、と彼から教わった」

 元ウィルコのリロイ・バックをプロデューサーに迎えた最新作を聴けば分かるように、ライリー・ウォーカーの音楽はシカゴのジャズ~エクスペリメンタルのシーンとも繋がっている。それどころか、ライリーはシカゴの音楽の申し子のようだ。

 「15歳の頃からシー・アンド・ケイクやトータスのメンバーが、地元のクラブでジャズ系ミュージシャンとやっていたギグを観に行っていた。この頃から音楽的興味が広がり、テリー・キャリアーのライヴを観たり、サン・ラのレコードを聴くようになった。シカゴ・ソウルだと、シル・ジョンソンが大好き。それとシー・アンド・ケイクがブラジル音楽に影響を受けていた関係で、カエターノ・ヴェローゾも聴くようになり、特に70年代中期の彼のレコードに惹かれた」

 今回ライリーは、初来日。ライヴのMCでは、日本に来ることができて嬉しいとしきりに語っていた。

 「音楽と映画を通じて日本にずっと憧れてきたんだ。たとえば細野晴臣の『コチンの月』や新藤兼人監督の『裸の島』を通じて。僕の趣味はレコード・コレクションと映画。ただし、内向的な少年ではなかった。このように話し声は、昔から大きかったしね(笑)」

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