INTERVIEW

la la larks『Culture Vulture』 結成5年目の初フル・アルバム! ドラマティックな12曲で伝える〈音楽をちゃんと作る〉ということ

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  • 2017.08.30
la la larks『Culture Vulture』 結成5年目の初フル・アルバム! ドラマティックな12曲で伝える〈音楽をちゃんと作る〉ということ

 結成5年目を迎えたla la larksが、初のフル・アルバム『Culture Vulture』を完成させた。何より作品のクォリティーを重視するがゆえ、これまでに発表したのはアニメのテーマ曲として提供した2枚のシングルのみ。満を持して放つ本作は、海外シーンを中心に〈ロック・バンド受難〉とも言われる時代を射抜く、純度の高い作品だ。

la la larks Culture Vulture FlyingDog(2017)

 「(リリース元の)FlyingDogっていうレーベルは、ワンショットで、アニメ・タイアップに向けてコラボするっていうのが基本の会社なんです。なので、〈5周年だし、アルバムどうですか?〉って提案をしてくれたのはホントに異例で、昨今のメジャー・レーベルがやりたくても絶対できないことじゃないかと思います」(江口亮)。

 ビクタースタジオの充実した環境でレコーディングが行われたアルバムには、5年間のなかで育てられた全12曲を収録。リード・トラックの“Massive Passive”や、坂本真綾への提供曲のセルフ・カヴァーとなる“色彩 -Album Ver.-”などでは生のストリングスとオルタナなバンド・サウンドがぶつかり合い、そのドラマティックなサウンドスケープはla la larksのイメージを決定付けているが、当人たちはそれをフラットな目線で見つめている。

 「“Massive Passive”は〈いろんなことを受け入れて、よりよい自分で生きようとする。それをあたりまえのこととして進んでいこう〉っていう曲なんです。〈自分らしさ〉って、自分で選ぶものじゃなくて、人から〈似合ってるね〉って言われて、あとから決まってくるものだと思うんですよ。私は弦の入った曲とかアニメの曲とかって昔から聴いてたわけじゃないんですけど、いま〈らしさ〉になったのはそういうことかなって」(内村友美)。

 この内村の発言は、インパクトがありつつも匿名性の高いヴィジュアルにも反映されているように思う。それぞれがミュージシャンとしての強い自我を持ってバンドと向き合いつつも、la la larksとしての在り方は後天的なものとして捉える。R&B/ヒップホップ風の“たりない”や、轟音バラードの“失う”まで、ジャンルを限定することなく多彩な曲調が収録されているのも、そんな背景があってのことだろう。そして、〈未来の僕には 今 見えてるでしょう? 見たことない明日が〉と歌うラスト・ナンバー“Self”は、江口もプロデューサーとして関わっていたSchool Food Punishmentの解散直後に書かれた曲であり、それがこのアルバムに収録されることには、やはり特別な意味がある。

 「“Self”は5年間ずっと歌い続けてきた曲で、半ばla la larksのテーマ・ソングのようになってたから、気合いを入れて歌入れに臨んだら、〈暑苦しい〉って言われて(笑)。なので、これまでのイメージを払拭しながら、手探りで歌って、良い瞬間を拾い上げてもらいました。当時の〈わからなくても進んでいこう〉っていう思いを、今はもう少し明るく捉えているというか、どんなときも悩みはあるわけで、それでも進んでいくのが人生の通常運転だと思う。この5年で“Self”の捉え方が自分のなかでも変わりましたね」(内村)。

 それぞれキャリアのあるミュージシャンが、エンジニアやスタッフも含めたチームとして作り上げた、最高純度のスタジオ・アルバム。〈似非文化人〉〈教養マニア〉といった意味のある『Culture Vulture』というタイトルは、語感重視で決めたもので、強いメッセージ性があるわけではないそうだが、作品の背景には音楽文化への強い想いがある。

 「今これだけ丁寧にアルバムを作らせてもらえるのって、ホントに売れてるバンドだけだと思うんですよ。だからこそ、〈こういう環境をもらえてありがたい〉だけじゃなくて、若い子には〈こういう環境でやれば、ここまで辿り着けるんだ〉って思ってほしいし、〈音楽をちゃんと作る〉ということを提示できるようなアルバムにしたかったんです。ギチギチの予算のなかで作るものじゃ、絶対こうはならないですから」(江口)。

 


la la larks
元School Food Punishmentの内村友美(ヴォーカル)、坂本真綾やLiSA、さユりら多くのアーティストのアレンジャー/プロデューサーとしても活動するStereo Fabrication of Youth/MIMの江口亮(キーボード/ギター/コーラス)、THE YOUTH/LOST IN TIMEの三井律郎(ギター)、元Sadsのクボタケイスケ(ベース)、元GO!GO!7188のターキー(ドラムス)から成る5人組。2012年に結成。2014年にJ-WAVEとのコラボ企画でクラウドファンディングによるCD『28時』を制作。同年6月に“ego-izm”、2015年に“ハレルヤ”とこれまでに2枚のシングルを発表。このたび、ファースト・アルバム『Culture Vulture』(FlyingDog)を8月30日にリリースする。

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