「これはただのバラードではないな」、聴き終わったあとに「すごいものを聴いたな」っていう感覚があって、純粋に〈歌いたい!〉って思いました
10月から2ndクールに突入したTVアニメ「Fate/Apocrypha」。そのエンディング・テーマ“KOE”を歌うのが、この曲でメジャー・デビューを果たしたASCA。9月に21歳になった彼女は、まだ中学生だった時に〈全日本アニソングランプリ〉に出場し、ファイナリストまで進出。翌2013年に「さくら荘のペットな彼女」のエンディング・テーマ“Prime number~君と出会える日~”をリリースした――大倉明日香として記憶している人も多いはず。
「あれからずいぶんとリリースが空いてしまいましたけど、そのあいだはボイトレに通っていたり、路上ライブをよくやってました。通り過ぎちゃう人のほうが多いんですけど、それでも立ち止まって聴いてくださる方がいてくれたり……やっぱり、みんな誰しもが好きな歌声ってなかなかないですし、そのなかで耳に留めてくれる人がいたらいいなと思って始めたので、大きな収穫になりました」
そして“KOE”。妖艶さも湛えたミステリアスな佇まいのなかから並ならぬ熱情が立ち昇ってくるその歌声は、アニメ・ファンの枠を飛び越えて幅広い層の〈イイ歌好き〉へと届くであろう存在感。表舞台から一歩、二歩引いていた期間が、決して無駄な時間ではなかったことを物語っている。
「これはただのバラードではないな、聴き終わったあとにすごいものを聴いたな、っていう感覚があって、純粋に〈歌いたい!〉って思いました。全編を通してストーリー性がある曲なので、ひとつひとつの場面を丁寧に歌い分けたいっていう気持ちが高まりましたし、曲を書いてくださったSakuさんとも歌詞について話し合って、言葉を大事にしながら、歌うことを心掛けました」
新しい一歩を踏み出した今、シンガー・ASCAの視線の先にあるのは……?
「ライブでたくさんの人に聴いてもらいたい。ライブで聴いてもらって、ひとつでもお気に入りの曲を見つけてくれたらうれしいなって思います。私もいろいろなアーティストのライブを観て勇気とか元気をもらえましたし、そういうところに憧れて歌手を志して今があるので、自分の思いや感じてることをしっかりと言葉で伝えたいです」