OPUS OF THE YEAR 2017
[特集]2017年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音。ゆきゆきて音楽――2017年もいい作品は山ほどあった!という感慨を抱きしめながら、晴れやかに翼を広げて、新しい年へ飛び立つ準備はもうできていますか? 最高だった作品の数々をここで改めて振り返っておきましょう!

★bounce編集部の選ぶ2017年の100枚・後編

 


JUST A TOUCH OF 100
bounce編集部の選ぶ2017年の100枚・前編

A TRIBE CALLED QUEST We Got It From Here... Thank You 4 Your Service Epic/ソニー(2016)

ファイフの死を乗り越え、初の全米1位に輝いた18年ぶりの最終作。カニエ、アンドレ3000ら壮観なゲストMCやBIGYUKIなどの鍵盤奏者と共に、往時のマナーとジャストな時代感を共存させた。 *土田

 

CHILDISH GAMBINO Awaken, My Love! Glassnote/HOSTESS(2017)

2017年も5部門でグラミーにノミネート。「スパイダーマン:ホームカミング」にも出演したあの人の音楽家としての顔は、プリンスやディアンジェロの如くファンクを軸に多様な黒さへ手を伸ばすことでリスナーに衝撃を与えた。 *土田

 

THE WEEKND Starboy Republic/ユニバーサル(2016)

数年前のアンビエントR&B流行の立役者が、ダフト・パンクらの手を借りてモード変更。驚きのドラムンベースはさておき、MJオマージュも前と違って風通し良好で、『24K Magic』の流れを汲みながら確かな痕跡を残しました。 *山西

 

G.RINA LIVE & LEARN ビクター(2017)

鎮座DOPENESSや土岐麻子、Kick A Showらを迎え、シンガーソング・ビートメイカーとしての才を全開にした1年ぶりの傑作。現在と少し先を見据えたアーバンでブギーな気分を纏い、未来に手を伸ばすポジティヴさが眩しい。 *出嶌

 

SAMPHA Process Young Turks/BEAT(2017)

ドレイクやカニエ、ソランジュをはじめ、注目せずにはいられない作品に関与してきたシンガー/ソングライターの初作。グライムが基盤のトラックからピアノ・バラードまで、シンプルな音で清廉な美声を際立たせた逸品だ。 *土田

 

SKY-HI OLIVE avex trax(2017)

ポップスターとしての覚悟を示した本作を土台に、日本のヒップホップ~ロック界を跨いで軽やかに動いた2017年。武道館や海外公演、フリー配信曲での政治/社会的な発信、Czechoとのコラボなど、明確に数段上へ進んだ感が。 *土田

 

Suchmos THE KIDS SPACE SHOWER(2017)

2017年の邦楽における顔役の一組は、間違いなくこの6人! 〈ブラック・フィーリングを持つバンド・サウンド〉という流行を牽引しつつ、メジャー内に自主レーベルを設立。セールスもグループのスケール感も大きな成長を遂げた。 *土田

 

水曜日のカンパネラ SUPERMAN ワーナー(2017)

コムアイというアイコンをフロントに据え、先鋭的なビートにユーモアを重ねることで自前のポップスを編み出すユニットの最新作。加えてタイラーの主催フェスへの出演やケンモチの外仕事など、2017年の活動もフリーダムだった! *土田

 

THE XX I See You Young Turks/BEAT(2017)

大胆な変貌を遂げた最新作。硬いキックが脈打つハウス曲で幕を開ける本作は、内省的な面を残しながらも全体的にダンサブルな作り。時流のレゲエ・ブームにもアクセスしながら〈ポップス〉としての機能性を高めたのだった。 *土田

 

雨のパレード Change your pops スピードスター(2017)

アトモスフェリックなポップ感覚は2017年も引き続き有効だが、その手法のポップスを日本に浸透させたいと目論んだ2作目。ムラ・マサやカシミアキャットと共通項の多いバンド・アンサンブルが2018年に向かう先にも期待大だ。 *土田

 

バンドじゃないもん! 完ペキ主義なセカイにふかんぜんな音楽を♥ ポニーキャニオン(2017)

明るい話題ばかりではなかったアイドル界の2017年、この再メジャー・デビュー後の初作は、真正面からポップネスを追求した力強い一撃でした。アイデアの過積載でも倒れないバンドワゴンの逞しさ! *出嶌

 

KEHLANI SweetSexySavage Atlantic/ワーナー(2017)

2チェインズやカルヴィン・ハリスらの話題作に客演し、本作のTLC風な表題も、トラップや90s回帰的なオケも2017年っぽく語りやすいけど、そんなことよりポップR&Bスターぶりが登場時のシアラと重なったりして。最高です! *山西

 

SHISHAMO SHISHAMO 4 GOOD CREATORS/ユニバーサル(2017)

女心をリアルに描写するロック・サウンドに磨きをかけた、NHK「みんなのうた」への提供曲やCMソングも含む最新作。以降も映画「ミックス。」に主題歌を書き下ろし、年末には「紅白歌合戦」へ出演。着々とお茶の間へ進出中! *土田

 

THUNDERCAT Drunk Brainfeeder/BEAT(2017)

「地獄の黙示録」なジャケとは裏腹の、インディーR&B好きも引き寄せるスウィートなサウンドスケープ。ブラック・クロスオーヴァーな潮流の重要人物は、彼らしい裾野の広さで陶酔的なマイルドさを持つソウル作品を作り上げた。 *土田

 

輪入道 左回りの時計 GARAGE MUSIC JAPAN(2017)

「フリースタイルダンジョン」でのモンスター抜擢に先駆け、隠したい過去も曝け出しつつ詩情豊かに時の流れを歌う今作を発表していた意味は大きい。ユルくて妙にエモい“徳之島”は2017年指折りの名曲でした。    *出嶌

 

WILEY Godfather CTA(2017)

グライムのゴッドファーザーがその名の通りに放った本作は、若手の躍進が著しいシーンに己の現役ぶりと多彩なアイデアを見せつけるかのよう。初の全英TOP10入りを記録して、年明けには早くも続編が登場する模様ですね! *出嶌

 

BIG SEAN I Decided. G.O.O.D./Def Jam(2017)

瞬間的なキャッチーさよりコンセプトありきで芸術点を求めつつ、それでもUSチャートでは余裕の初登場1位。滲み出るスター性と高い技量は2017年も無敵でした。そんな年の締め括りに先頃メトロ・ブーミンとのコラボ盤まで! *山西

 

THE CHAINSMOKERS Memories...Do Not Open Disruptor/Columbia/ソニー(2017)

EDMを寝室に持ち込んだ2人のアイデアは引き続き各所で重宝されましたが、本作はより内省的なシンセ・ポップに。聴き心地はウォーク・ザ・ムーンなどに近く、これがシーンの転換点となった……気も? *山西

 

ED SHEERAN ÷ Atlantic/ワーナー(2017)

2017年を代表する大ヒット曲“Shape Of You”での南国ハウスほか、アレンジ面で柔軟性を発揮しつつ、最終的には超が付くほど良質な歌メロで聴き手を圧倒した一枚。裏方仕事も引く手数多で、この枯渇知らずな才能は何だ!? *山西

 

FEBB AS YOUNG MASON So Sophisticated VYBE(2017)

JJJの傑作『HIKARI』やKID FRESINOのEPが続けざまに話題を撒いた2017年、何かを期待する声も高まるなか、FEBBはビート・アルバムやGRADIS NICEとのタッグ作などで己の道を邁進。特に洗練を意図した本作は高水準だった。 *出嶌

 

JAMIROQUAI Automaton Virgin UK(2017)

タイミング的にはデビュー25年。久しぶりのリリースでもしっくり馴染んで楽しめたのは、時代の側が彼らのスタイルに追いついてきたから。のみならず、エレクトロなダフト・ファンクも何かを証明するかのようでもあり。 *出嶌

 

KHALID American Teen Right Hand Music/RCA(2017)

ドレイク以降の泣き虫R&B感覚を備え、刈り上げ具合も今風な彼は、ジョエル・リトル製のオケ上で10代の思いを吐露し、〈男性版ロード〉の名をほしいままに? 程良くダウナーな清涼声にケンラマやカルヴィン・ハリスもメロメロ。 *山西

 

Maison book girl image 徳間ジャパン(2017)

ニューエイジ・ポップを標榜してメジャー・デビューしたことで、その独自性と魅力がますます際立ってきた2017年。逡巡する物語が少しずつ目線を上げようと、どこからも浮いた蒼さの儚い存在感が却って頼もしく思えたり。 *出嶌

 

三浦大知 HIT SONIC GROOVE(2017)

デビュー20年イヤーに得た数々の勲章は言わずもがな、そうでなくても高水準な我流のトレンド追求姿勢が万人の心を強くヒットした力作。“誰もがダンサー”で歌われる姿勢がジワジワ実感に変わってきた1年でもありましたね。 *出嶌

 

STORMZY Gang Signs & Prayer #Merky/ADA(2017)

〈純グライム盤で初の全英1位〉なる称号も授かった本作ですが、ムラ・マサ関与曲やケラーニ参加の2ステップ調など間口は広く、リンキン・パークやエド・シーランとの絡みで存在を気にしていた方は、いまからでも気軽にぜひ! *山西

 

w-inds. INVISIBLE ポニーキャニオン(2017)

橘慶太製の先行曲“We Don't Need To Talk Anymore”で音楽的なトレンドに敏感なダンス・ポップ・アクトであることがようやく認知され、シーンの注目のなかで発表された最新作。以降の橘はクリエイターとしても活発な動きが。 *土田

 

YELLOW CLAW Los Amsterdam Mad Decent/avex EDM(2017)

ふわふわ系とは逆を行くハードな音で現行EDMのもうひとつの流れを引っ張り、世界を回りながら低音好きをブンブン踊らせ、気付けば日本にも3か月に1回ペースで渡来。主宰するバロン・ファミリーのロゴもめっちゃ見たな~。 *山西

 

ゆるふわギャング Mars Ice House Mary Joy(2017)

MVがディプロにもピックされ、ヒップホップ好きを超えて熱視線を集めた男女MC+プロデューサー。カラフルなトラップ・ビートと毒気のあるラップ、映画的なファンタジーを孕むリリックは、〈ネクスト〉を求める耳も大満足! *土田

 

ZARA LARSSON So Good Epic(2017)

タイニー・テンパー曲への参加を経てこのメジャー初作で順当にブレイク。アーバン界隈の流行を標準装備している点はもちろん、北欧らしい透明感も大ウケ。〈トーヴ・ローに続く存在〉という評価を現在進行形で上げています。 *山西

 

AT THE DRIVE-IN In・ter a・li・a Rise/BMG Rights/HOSTESS(2017)

17年ぶりの作品は、直前にオマーがメルヴィンズと合体したこともあり、懐古的になるかと思われましたが……。結果はJoy Oppositesらと共鳴するモダンなポスト・ハードコアだらけで、いま出るべくして出た感じが凄かったです。 *山西

 

DÉ DÉ MOUSE dream you up not(2017)

〈架空のSFアニメに登場する若いパイロットの間で話題のヒット曲〉がテーマの本作は、80sな音色のハウスやブレイクビーツを柱に煌びやか&ノスタルジックなレイヴ感を目一杯に連打。彼のポップ・サイドを鮮やかに印象付けた。 *土田

 

FATHER JOHN MISTY Pure Comedy Sub Pop/BIG NOTHING(2017)

オーケストラ・サウンドで過去の栄華を表現し、トランプ政権を〈喜劇〉と揶揄。アメリカーナ人気に沸くなか、そのシニカルな振る舞いがインディー感覚とフィットして、各媒体の年間ベストでも軒並み上位にチャートイン。 *山西

 

THE JESUS AND MARY CHAIN Damage And Joy Artificial Plastic/ワーナー(2017)

『Psychocandy』的な音を求める声を受け流し、フォークもギター・ポップも詰め込んでキャリアを総括。相次ぐ元祖シューゲイザー世代の復帰作と比べても群を抜いて時流を無視した内容に、変わらぬ天邪鬼ぶりが! *山西

 

MIGOS Culture YRN/Quality Control/300/Atlantic(2017)

“Bad And Boujee”のNo.1ヒットで幕を開けた年にさらなるピークを極めた、やかましくも愛らしい娯楽大作。年末のエミネム新作にまで影響を及ぼした歌唱スタイルの浸透度を思えば、2017年はやはり彼らのものだったのかも。 *出嶌

 

RAY DAVIES Americana Legacy/ソニー(2017)

音楽的題材としての〈アメリカ〉に目を向けたのは、インディー勢だけではなくこの御大も! ジェイホークスをバックにキンクス流儀でオルタナ・カントリーを奏でたようなサウンド上で英国と米国の風景が重なる、沁みる一枚に。 *土田

 

DATS Application RALLYE(2017)

音楽性を刷新した初アルバムは、D.A.N.やメンバーが一部重複するyahyelらと並べて聴きたいものだが、この4人の特性は、ハウスやベーシーなビート音楽にロックな熱を持つメロを合わせている点。良い意味でのカジュアルさも◎。 *土田

 

GORILLAZ Humanz Parlophone/ワーナー(2017)

ケレラ、ヴィンス・ステイプルズ、ノエル兄……と客演陣を羅列するだけで2017年っぽいし、未来派ソウルにダンスホールなど音も然り。スーパーフードらの追随を振り切り、嗅覚の鋭さと豪華さで格の違いを見せつけました。 *山西

 

HYUKOH 23 HIGHGRND/トイズファクトリー(2017)

2年連続の〈サマソニ〉出演で日本における認知も拡大。韓国音楽界の人気バンドによる初アルバムは、UK/USロックやR&B、ソウルなどが融合したサウンドに。繊細な歌を含め、日本のインディー界隈とも親和性のあるものだった。*土田

 

KENDRICK LAMAR DAMN. Top Dawg/Interscope/Aftermath(2017)

〈DAMN.〉なTシャツが飛び火して話題になったのも2017年のワンシーン。音楽のカッコ良さとコンシャスネスが同居し得るものだと久々に思い出させてくれた一枚。超ストロングな極上のラップ・アルバム! *出嶌

 

MONDO GROSSO 何度でも新しく生まれる cutting edge(2017)

回帰でもなく懐古でもないシンプルな帰還。満島ひかりとの“ラビリンス”が象徴するように、統一感のあるアトモスフェリックな肌触りはまさにこの時代のもの。それでいてbirdと再会した“TIME”にはタイムレスな美が宿る。 *出嶌

 

tofubeats FANTASY CLUB unBORDE(2017)

トラップ&スクリューな先行曲“SHOPPINGMALL”が各所で大絶賛。そのメロウなトーンを引き継いだ最新作は、自身の歌とラップをメインとするパーソナルな音世界によって、音楽制作に対する根幹を露にしたような仕上がりに。 *土田

 

TWINKLE+ JAPANESE YEDO MONKEY SUMMIT(2017)

いつになく作品の多かったSUMMITだが、粋でいなせな江戸っ子がまさかの初作を届けてくれたのは最大のサプライズだった。偉大な師匠への敬意も随所に滲むドス黒い湯加減の良さは、この後の“Theme Song”とも良い相乗効果に。 *出嶌

 

YOUR SONG IS GOOD Extended KAKUBARHYTHM(2017)

前作から傾倒していったダンス音楽的な側面――ディスコやバレアリックな要素と元から内包していたレゲエ~ダブの交配をより進めたところ、時流にジャストとなった最新作。KAKUBARHYTHMマナーの見本的な一枚でもある。 *土田

 

CALVIN HARRIS Funk Wav Bounces Vol.1 Columbia(2017)

〈世界でもっとも稼ぐDJ〉の話題作は、2017年のムードを見据えていたようでもあり(あまい!)、ややスロウバックしたようでもある渾身の一枚でした(あまい!)。フューチャーにカリード、ヤンサグら旬な奴らがズラリ。 *出嶌

 

CHUCK BERRY Chuck Dualtone/ユニバーサル(2017)

大物たちの追悼コメントに偉大さを再確認。でも、この32年ぶりのスタジオ盤と湿っぽく対峙するのはロックじゃない。90歳がトム・モレロらに負けじとロールする姿が熱いし、ついでに内田裕也による日本盤の帯も痺れた! *山西

 

Cornelius Mellow Waves ワーナー(2017)

外仕事やMETAFIVEなどの別プロジェクトで動き続けてきた彼による11年ぶりのオリジナル作。〈点〉から〈面〉〈曲線〉の音表現へ移行するなかで向き合ったのは自身で歌うことで、全体を覆うメロウネスは時代の空気ともフィット。 *土田

 

DUA LIPA Dua Lipa Warner UK/ワーナー(2017)

彼女との出会いは2017年の大きな喜び。アフリカ~カリブな音飾やラップも交えた歌唱はいかにもイマっぽいけど、上品な色気は現行シーンに足りないもの。〈痛くないラナ・デル・レイ〉という独自の方向性に目から鱗でした。 *山西

 

FLEET FOXES Crack-Up Nonesuch/ワーナー(2017)

コートニー・バーネットとカート・ヴァイルの共作盤の他、USルーツ音楽を今風のインディー感覚で鳴らす作品が多く登場した2017年。そんなニュー・アメリカーナ式で自身のフォーキーな風合いを更新した本作はその代表だ。 *土田

 

LIL YACHTY Teenage Emotions Quality Control/Motown/Capitol(2017)

絶妙なユルさを湛えたオケに、歌とラップのメロディアスなフロウ――ミーゴスやディプロとの共演曲も収めた10代MCの初アルバムは、どこを取ってもフレッシュ! この〈ティーンらしさ〉こそが特筆すべき美点。 *土田

 

LINKIN PARK One More Light Machine Shop/Warner Bros./ワーナー(2017)

ギターを減らして軽くなった音像も、ストームジーらゲスト選びも、常に旬のヒップホップやクラブ音楽と接してきたからこそ。突然の訃報にしばらく向き合えなかったけど、いまならコレが彼らの代表作!と断言できる。 *山西