COLUMN

メトロ・ブーミン―2017年のベスト・プロデューサーによるブーミンな2枚のタッグ作が、続けざまにフィジカル・リリースされたぞ!!

METRO BOOMIN
2017年のベスト・プロデューサーによるブーミンな2枚のタッグ作が、続けざまにフィジカル・リリースされたぞ!!

 新たなクリエイターが次々と世に出てくるヒップホップ・シーンではあるが、そこで2017年を代表するプロデューサー/トラックメイカーを挙げるとしたら……実際の数字とかがどうではなく、メトロ・ブーミンの印象が強いという人はやはり多いのではないだろうか。前年からの流れでその年を象徴する一曲になったミーゴス“Bad And Boujee”やフューチャーの“Mask Off”を筆頭に、ポスト・マローンの“Congratulations”、ビッグ・ショーンの“Bounce Back”、21サヴェージの“Bank Account”、グッチ・メインの“I Get The Bag”に至るまで、仕事量やヒット規模という意味でも実績は絶大。ここ数年の人気プロデューサーとしての支持が一気に見える形で表立ってきたような印象すらあるわけだが、年の暮れにはビッグ・ショーンと組んでアルバム『Double Or Nothing』まで仕上げてきたのだからつくづく精力的だ。

BIG SEAN,METRO BOOMIN Double Or Nothing G.O.O.D./Boominati Worldwide/Republic(2018)

 ブリック・スクワッドやフューチャーとの仕事で名を上げてきたこともあってアトランタの印象が強いメトロ・ブーミンだが、もともとはミズーリ州セントルイスの出身(93年生まれ)。13歳でビートメイクを始め、大学進学でアトランタに移る前はオンラインで知り合ったラッパーらにトラックを提供していたのだが、そんな無名時代に関わった作品のひとつが、こちらも全国区になる前のビッグ・ショーンのミックステープ『Finally Famous Vol. 3: Big』(2010年)だったのだ。互いにビッグになって先述の“Bounce Back”に至った両者は、今回の『Double Or Nothing』でも相性の良さをバッチリ見せている。いきなりダイアナ・ロスの〈マホガニー〉歌唱で始まる“Go Legend”をはじめ、サウスサイドと共同プロデュースした21サヴェージ客演の“Pull Up N Wreck”、ヤング・サグや2チェインズのサポートもあって、ビッグ・ショーンが人脈も含めてメトロの世界にドップリ浸かってみせた印象だ。

 

METRO BOOMIN,NAV Perfect Timing Boominati Worldwide/XO/Republic(2017)

 他にもコラボ作という意味では、21サヴェージとのタッグEP『Savage Mode』(2016年:フィジカルはアナログ盤のみ)や、そこにオフセットも加えたコラボ作『Without Warning』(2017年)を残してきているメトロだが、昨年6月に発表していたナヴとのコラボ・ミックステープ『Perfect Timing』もこのタイミングでCD化されている。ウィークエンド主宰のXOに所属するナヴはトロント在住のラッパー兼ビートメイカー。こちらでもグッチ・メインやリル・ウージー・ヴァートらも招きつつドリーミーな雰囲気に包まれたトラップ世界が広がっている。

 こうしたメトロの精力的な動きは、自身のレーベル=ブーミナティ・ワールドワイドを設立してから顕著になってきたものだ。オフセット&ドレイクを迎えた昨夏の自身名義シングル“No Complaints”は来るべき自身のアルバムを見据えての一手だろう。2018年もその勢いが続くのか期待しながら今後の展開を見守っていきたい。

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