ブルックリンのシンガー・ソングライターがリリースした4年ぶりのフル・アルバム。60年代流儀の混沌としたアシッド・フォークという従来のイメージを隅に置き、クリス・コーディの協力のもとでプロダクションをグッとシンプルにし、揺らぎのあるヴォーカルを生々しく響かせている。彼が〈シド・バレットの再来〉と言われてきた所以は、サウンドのテクスチャーではなく、この歌声にあったのだ……といまさら実感。