自身で監督した映画のサントラ的な『Ill Manors』(2012年)を間に挿んで、実に8年ぶりとなったオリジナル・アルバム。出自のグライムから弾き語りラップ時代、ブレイクしたヴィンテージ・ソウル路線まで、彼自身の履歴を集大成したらエミネムみたいになったというか、時代を照射したら言葉数が多くなったというか。ダークで壮大なトラックを振り払うように吐き出される歌とラップが全編にドラマティックな強さをもたらしている。