INTERVIEW

OLDCODEX『LADDERLESS』 過去の自分たちも含め色んなものが透けて見えるけど、歩んできたからこそ辿り着けた1枚

OLDCODEX『LADDERLESS』 過去の自分たちも含め色んなものが透けて見えるけど、歩んできたからこそ辿り着けた1枚

『they go, Where?』から約2年。より作品のディレクションに関わるようになったTa_2の変化、そしてYORKE.の変わらないスタンスとはーー。

OLDCODEX LADDERLESS バンダイナムコアーツ(2019)

――前回のアルバムのリリースから約2年間が経過しましたが、この2年はどんな時間になりましたか?

Ta_2「止まることなくずっと動き続けていたなという印象でしたね。それこそアルバムを作り始めてから2年ぶりという話をスタッフから聞いて、そんなに経ったんだなぁくらいで。脇目も振らず必死で走ってきたなという感じです」

YORKE.「僕も同じですね。シングルのリリースもあったし、2年ぶりっていう感じはあんまりしないかな」

――ツアーだけでなく、多種多様なフェスなど様々な経験もありましたよね。

Ta_2「明確なターニングポイントはないけど、小さな刺激みたいなのが常に自分たちを強くしてくれたっていうのが多かったですね」

YORKE.「OLDCODEXは舞台のセットで世界観を見せるけど、フェスだとそれができないから、僕はどうやって誤解なく伝えられるか必死でしたね。フェスによっては色んなカラーがあるじゃないですか。だから見せ方が変わらないように自分が変わらないようにしなきゃっていうのは、逆にすごく感じてましたね」

――そんな経験を経て、今回の制作過程はどのような風に進みましたか?

Ta_2「この2年間はフェスとか色々経験してきて、自分たちの立ち位置を改めて認識できたので枠を広げたいなと。個々の楽曲のパンチだけじゃないOLDCODEXをしっかり見せたくて、今回のアルバム収録曲でシャウトを入れている新録も1曲だけです。自分のヴォーカルでOLDCODEXの色彩の深みを見せたいなと思って、今回は同じ色でも濃淡を見せられるような楽曲をセレクトしてます」

YORKE.「音楽的なことで言えばTa_2はさらに色んな音楽を聴くようになったよね。それを自分たちのアルバムにどう落とし込めるかっていう視点がプロデューサーっぽくなってきた。逆に僕は沢山の音楽が氾濫することをインスタントに感じちゃって、敢えて避けつつも、作ることに貪欲になっている感じかな」

Ta_2「そういえば俺は最近、この音色やリズムってどこから来るんだろう?とか、分解と解剖をやっているかも。常々新しい音楽がどうやって人々に受け入れられているかも観察してますね」

YORKE.「だから周りは大変ですよ。その影響で出来上がったものに対してスパイスを加えるから、もう……お腹いっぱい……」

Ta_2「(笑)」

YORKE.「でも、そういうTa_2のスタンスも大事だと思っていて、僕はそれにすごく刺激されてますね」

――だからこそ2人のバランスが取れているのかもしれないですよね。

YORKE.「そうかもしれないね」

Ta_2「でも、俺はその上で更にアイディアがたくさんあったから、実はまだ詰め込みたいことがあって……本当はもっと制作していたいなって思っていたくらい(笑)。こぼれちゃったのも、また次に何らかの形にしたいですね」

――作品はリスナーやオーディエンスを通して、そしてライヴを通して成熟していくものだと思いますが、現時点で『LADDERLESS』がOLDCODEXにとってどのような作品になると思いますか? もしくは、どのような作品になってほしいですか?

Ta_2「いままでを知ってくれている人からしたら、ちょっとした挑戦を感じてくれるアルバムになっていると思うし、初めて知る人たちからは〈OLDCODEXってこんなアーティストなんだ〉っていうアルバムになっているので、そういう意味ではいつ手に取っても楽しい1枚になっていてほしいですね」

YORKE.「アルバムとして顔になるような作品になればいいなと思いますね。6枚目なので6人目の顔じゃないけど、1つの人格があるような感じで、個性として受け入れてもらえるような作品になっていればいいなと思います」

――さて、次は個別の質問です。YORKE.さんは今作の歌詞制作はどうでしたか?

YORKE.「昔はあくまでもYORKE.として歌詞を書いてたんだけど、最近はTa_2が歌った時にどう届くかを考えて、意識的に言葉を変えたり、日本語を増やしたりするようになったかな。歌詞を書くのはいつも大変だけど、パズルがハマるみたいな瞬間もあって、そこだけは逃さないようにしてましたね」

――Ta_2さんの楽曲制作はいかがでしたか?

Ta_2「俺はずっと作曲をやってきた人間ではないけど、1番の武器は感情面を知っていることだから、今回はそれを大事にしながらメロディーを作るが裏のテーマでしたね。サウンドプロデューサーの小山君と楽曲のブラッシュアップを重ねていって、適切なアドヴァイスを貰えたので、今までで1番発見の多い作曲だったかもしれない。あとは音楽表現に対する自分の語彙力が増えたので、全体の構成はこだわってリテイクも重ねました。今作は、どの曲も深く関われたなと改めて思います」

――それでは秋から始まるツアーについての質問です。今回のツアーはよりライヴハウス感の強いツアーになっていますが、どのようなライヴになりそうでしょうか?

Ta_2「実は去年からもっと距離の近いライヴをやりたいっていうのをオーダーしていて。……というのも、そうでもしないと、なかなか行ったことのない土地に行けないところもあって。みんなに来てもらうのも嬉しいけど、自分たちから行くっていうのを諦めないようにしたいっていう。ライヴは近い距離感でどう見せていこうかなっていうのを、いまも現在進行形で考えてます。前にYORKE.が別のインタヴューで〈近い距離感なんだけど、ちゃんとステージとの距離を感じさせないと。〉みたいな話をしていて、まさしくそういうことがやりたいと思っていて、掴めそうなくらい近い距離感だけど、明確に俺たちの世界観を見せることのできるステージになればいいなと思っていますね」

YORKE.「今回のアルバムの世界観を小さい箱で見せるのはとても難しいと思うんですよ。だから、サイズが小さくても大きいところを想像できるような……。例えるならば、小さい映画館で〈スター・ウォーズ〉を見ても大きいし、大きい映画館で見ても大きいみたいな。まだ具体的ではないですけど、ただ近いから会場がごちゃ混ぜになるのではなく、きちんとOLDCODEXのステージを見てもらった上での一体感を作れるようなライヴにしていきたいなと思ってます。まあこれから舞台チームと話し合うので……多分みんな、これから大変だなあって思っていると思うけど(笑)まあ前向きに捉えてやろうと思います」

――さて、これから周年イヤーに突入しますが、心境を聞かせてください。

Ta_2「うーん……(長い沈黙)。なんかいろんなことがありすぎたけど、でもまだ10歳ですからね。人間の年齢でいうとまだ小学生ですから。みんな祝ってくれるのは凄く嬉しいし、喜んでくれているのを見るのは嬉しいんですけどね。逆に、周年は祝ってくれる人たちからのサプライズパーティーだと思ってます(笑)」

YORKE.「10周年……僕は30代をOLDCODEXに捧げて40歳になっちゃったんですけど、夢中で走ってあっという間だったかな。でも大人になってからの10年って子供のころの10年とまた違ったところはあるから、特別な部分もありますよね。でも振り返るのはまだ先でいいかなという気もしつつ、これからもいつか振り返ったときに〈あの10年はこうだったな〉っていう良いトピックスが残っていればいいな」

――それでは最後に読者へメッセージをお願い致します。

Ta_2「ここまで読んでいただき、ありがとうございます。今作は過去の自分たちも含め色んなものが透けて見えると思うけど、歩んできたからこそ辿り着けた1枚だと思っていて、少しでもそばに置いておきたいと思ってもらえるアルバムになっていたら最高だなと思います。あと、〈これだ〉と思える1曲と出会うってどれほど楽しくて嬉しいことか、自分でも分かっているので、その楽しいの1つになれたら嬉しいなと思いながら全部の楽曲を作ったし、そういう意味では1つ1つを噛みしめながら作ったアルバムでもあるので、これを読んでくれた方に1曲でも……いや『LADDERLESS』というアルバムが届けば最高に嬉しいです」

YORKE.「読者の人には〈初めまして〉、ファンの奴らには〈愛してるぜ〉って書いておいてください。あと、自分も最近は楽曲を手軽にダウンロードすることもあるけれど、音楽を再生するまでの過程……例えば触ったときの紙の質とか、やっぱりパッケージの世界観はこだわっていきたいというのがあって。『LADDERLESS』は、このCDは買わなきゃ損だぞっていうオーラをタワレコの売り場で放っているはずだから、シカトすんじゃねえぞという(笑)。時代を経て変わることもあるけど、逆に変わらないものもあることを、改めてここでメッセージしたいなって思います」 

 

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