年間100本を超えるライヴを数年続けてきたHump Backがアルバムを完成。『人間なのさ』と名付けられたアルバムはしっかりと人間臭くて、ライヴを重ねてきたバンドじゃないと具現化できない音源になっている。

Hump Back 人間なのさ 林音楽教室(2019)

2016年の年末、Hump Backが初めてCDを全国リリースするっていうのが決まった時に、よくある流れで〈バンドプロフィールを下さい〉と流通会社やCD店舗や宣伝媒体からオファーが来た。

僕は深くは考えずに、Hump Backを素直に表現して〈大阪 ガールズロックバンド Hump Back〉という文章を送った。その時は、僕も周りもこのプロフィールに特に違和感は無かった。〈短いですねー〉とは言われたけど、それぐらいだった。

Hump Backがライヴ本数を重ね、ファースト・ミニ・アルバム『夜になったら』、セカンド・ミニ・アルバム『hanamuke』、ファースト・シングル『拝啓、少年よ』、セカンド・シングル『涙のゆくえ』とリリースを重ねていく流れのなかで、色々な脚色を加えられたプロフィールが世に出ることはあったが、僕から発信してたのは、〈大阪 ガールズロックバンド Hump Back〉という短い文章だけだった。

けど、『拝啓、少年よ』のリリースツアー後半辺りから違和感を覚えるようになった。もっと良い表現でHump Backを伝えられるんじゃないかと考えたり、そもそもライヴバンドを言葉で表すのは無理なんじゃないかと迷走したりもした。違和感の正体が分からなくて、現場マネージャーの清水君にプロフィール作成を任せたりするようになっていた。これは逃げでは無くて、僕よりHump Backを好きなのは清水君ぐらいだと思うので安心して任せていた。

少し時間が流れて『涙のゆくえ』のリリースツアー中に違和感の謎が解けた。喜怒哀楽と拳と汗が飛び交うHump Backのライブを体感してたら、答えが出たというか、僕の頭の固さが原因だった。

バンド紹介にガールズっていうフレーズがなぜか必要不可欠だと思ってしまっていたこと。彼女たちは、シンプルにロックバンドだったということ(ガールズっていう歳でも無くなったってことでは無いです。もう四捨五入したら三十路バンドになりますが)。そして、今回のアルバム『人間なのさ』のレコーディングの時に確信に変わりました。

Hump Backはかっこいいロックバンドだった。

ガールズバンドって表現が良いとか悪いとかでは無く、Hump Backにはしっくり来ない表現だったってことです。重複しますが、ライヴバンドや音楽を言葉で表現するには限界があると思っていて、それが故にこの文章みたいに長々となってしまうことが多々ありますが、もっとシンプルに考えたら良いんだって、ライヴをしているレコーディングをしている林萌々子、ぴか、みさちゃんの姿に教えてもらいました。僕と同じように、偏見なくHump Backの音楽に触れて、この3人に色々気付かせてもらう人たちが増えますように。

〈大阪 ロックバンド Hump Back〉のいまを詰め込んだアルバム『人間なのさ』を体感してみて下さい。そして、ロックバンドが色付けるライヴハウスに行ってみて下さい。人生変わると思います。