1986年にミサワホーム総合研究所サウンドデザイン室が住宅展示場の為に制作したというまさに〈家具の音楽〉とも言うべき〈サウンド・スケープ〉シリーズ(全7作)は吉村弘も第一弾としてラインナップされた和モノアンビエントの秘境。その第二弾が広瀬豊による本作、もはや名門化しつつあるWRWTTWFが未発表音源を追加しての再発。鳥の囀りや川のせせらぎのフィールドレコーディング音の中、雫のように一音一音配置される不思議な音色のピアノ、そして幽玄なシンセのアンビエンス、納涼しないのが難しい程の低温環境音楽。この冷たい聴き心地はグローバル・コミュニケーションにも通じる。