NYを拠点に活動する音楽家、ブラッド・オレンジ=デヴ・ハインズ。マライア・キャリーやマック・ミラー、ブロンディー、カーリー・レイ・ジェプセン、スカイ・フェレイラ……と、プロデューサー/作曲家としての仕事も広く知られている彼は、もちろんソロ・アーティストとしても非常に魅力的な存在だ。

そんなブラッド・オレンジが、新作『Angel's Pulse』を今年7月に発表した。しばらく配信オンリーだった本作だが、このたびCD/LPとしてリリースされ、店頭に並ぶこととなった。前作『Negro Swan』のエピローグ的ミックステープという位置づけの『Angel's Pulse』はもともと、オフィシャルな発表を前提としたものではなかったとのこと。しかし、その内容は〈新作〉と断言していいかなり充実したものだ。

今回はその『Angel's Pulse』について、近藤真弥とshukkiという2人の書き手がそれぞれ〈非R&B的〉〈R&B的〉という視点から読み解いた。R&BだけれどもR&Bじゃない、そもそもジャンル分け不可能で複層的なブラッド・オレンジの音楽。その豊饒さが伝わればと思う。 *Mikiki編集部

BLOOD ORANGE Angel's Pulse Domino/BEAT(2019)