ブルックリン・ドリル界隈の首謀者として数々のスマッシュ・ヒットを放ち、正式デビュー前からすでに知られた存在でありながら今年2月に他界した故ポップ・スモークの、生前に制作されていた公式ファースト・アルバム。同じNYのレジェンドである50セントの影響を感じさせるドスの効いたラップと、ハードでありながら中毒性高めのフロウが武器となるが、今作はその50がエグゼクティヴ・プロデュースを担当し、客演した“The Woo”や“Got It On Me”などでは50の名曲が引用。先人への敬意とNYシーンの新たな顔役としての気概を強く示し、同じくNY出身であるファボラス“Into You”を引用した“Something Special”も見事。フューチャーやクエイヴォらゲスト勢も豪華だ。