ブラジル北東部、セアラー州出身の音楽家によるデュオ作。ピアノのヒカルド・バセラールは既に約30年のキャリアがあるベテラン、一方90年生まれのギタリスト、カイナン・カヴァルカンチはヤマンドゥ・コスタより更に一世代下の気鋭若手ギタリストとして注目を浴びる。故郷のリズムなどを取り入れながらそれぞれの卓越した技術と、まるで世代の差を感じさせることのない呼吸のあったアンサンブル。それはジスモンチから前述のヤマンドゥやアンドレ・メマーリなど、また、ライル・メイズに捧げた楽曲“Lyle”にも見えるようにメセニーの影響も覗かせるような、とかく豊かで美しい大きな音楽だ。