約3年ぶり、オリジナル作としては通算14枚目となるニュー・アルバムが到着。デビュー以来多くの作品を共にしてきた盟友でもあるUKロック界の大御所デイヴ・エリンガがプロデュースを手掛け、録音にはウェールズの名門スタジオであるロックフィールドも使用……と、今作も英国音楽好きにはたまらないキーワードが並ぶ。興味深いのはソングライティングがギターではなくピアノ中心に行われ、演奏でも数多くフィーチャーされていること。曲はよりメロディアスに変化し、サウンド面でも芯の強さに加えて美しさと豊かさが増しており、作品全体が醸し出すのはノスタルジックな印象。つまりマニックスらしさを保ちつつ、そのセンチメンタルな持ち味をさらに強調した、過去のどのアルバムとも色の違う新たな傑作だ。