10年ぶりにリリースした7枚目のアルバム。円熟なのか、新たな挑戦なのか、エモコア由来の激しさやプログレならではの長尺のインプロは影を潜め、クイーン風のハーモニーも聴かせる“Cerulea”をはじめとするバラードを中心に、じっくりと聴かせる曲で勝負。これまでで一番聴きやすいという評判も大いに頷ける。もちろん、聴きどころはバラードだけにとどまらない。手数の多い演奏に熱を込めた泣きのラテン・ファンク曲“Blank Condolences”、美しいメロディーが胸に染みるトラッド・フォーク調のプログレ曲“Tourmaline”など、激しさに頼らずに打ち出した新たなバンド像は大きな収穫と言えるだろう。賛否両論あるかもしれないが、10年ぶりだ。それぐらいやらなきゃ意味がない。