最終アルバムだという1年ぶりの7作目は、中心人物であるケヴィン・アブストラクトのソロ的な内容に。ソウルのサンプルを中心にしたトラックメイクは保守派ヒップホップ・リスナーにも好まれるであろう出来だし、その早回しネタ使いやメランコリックなラップにカニエの初期作を彷彿とさせる瞬間があるのも、このグループの出自を思えば納得だ。この後にサプライズ・アルバム『TM』もリリースしたが、ひとまずの集大成的な逸品。