US版「The Voice」出身のアメリカ人シンガーによる3作目。前2作で描かれたサイバー女子〈クライベイビー〉は1曲目の“Death”で葬り去られ、新たに4つ目のエイリアン・キャラが降臨。月経、子宮、死、悪魔といった言葉が鏤められる世界観は「不思議の国のアリス」のゴス版を思わせるドロッとした肌触り。だが、カーリー・レイ・ジェプセンやワンオクを手掛けるCJバランらと鳴らすエレクトロ・サウンドは、意外にもポップでドリーミー。90年代オルタナの影響やイモージェン・ヒープ的な実験性も聴こえてくる。御伽噺や寓話のメルヘン調な音とヴィジュアルを纏いつつ、より深く人間性や内面に迫った一枚。