2010年代序盤、チルウェイヴ全盛の時代に京都から登場し、国内外のリスナーを熱狂させたHotel Mexico。2013年に解散した彼らですが、このたびメンバー4人が新バンド、Great Silent Harbourを始動しました。今月の〈READY STEADY GO〉では、先日ファースト・シングル“This game is alive”を配信した彼らの初インタヴューをお届けします!

Great Silent Harbour 『This game is alive』 Herheads(2023)

 「前バンドの解散後は、それぞれ仕事や家庭、子育てなどで忙しく音楽制作からは遠ざかっていました。最近になって久しぶりに連絡をとったとき、〈また音楽を作ろうか〉という話になってこのバンドを始めたんです」(Ryuyu)。

 “This game is alive”は、不穏なシンセの音色が耳に残るエレクトロ・ポップ・チューン。前バンドのサウンドと比較すると、ややダークになった印象ですが、何者をも寄せつけまいとする孤高なムードに彼らの変わらない美学が窺えます。

 「Ryuyuからデモが送られてきたんですが、その時期に聴いていたドラブ・マジェスティのようなダークウェイヴの要素もあり、すぐ気に入りました」(Kikuchi)。

 「シンセと曲のホラー感がデペッシュ・モードっぽくてカッコいい」(Kai)。

 「デモはクラック・クラウドみたいな印象だったんですが、結果的に何に近いかをパッと言えない曲になりました。それぞれは〈紙一重だな〉と感じるフレーズなのに、全体として聴くとロマンティックに響くのが不思議ですね」(Iwamoto)。

 6月21日には、WOOMANとのスプリット・カセット『Great Silent Harbour / WOOMAN』をリリース。“This game is alive”に加えて、新曲“You Are In The Wave”が収録されています。

 「“You Are In The Wave”は、このバンドで最初に完成させた曲で、大箱感のあるシンプルな四つ打ちとシンセ・ベースが特徴のダンス・ミュージックになっています」(Ryuyu)。

 「カセット以降の予定は決まっていないのですが、近いうちにアルバムを作って、レコードでリリースしたいですね」(Kikuchi)。

 


Great Silent Harbour:Ryuyu(ヴォーカル/ギター)、Kai(ベース/シンセサイザー)、Kikuchi(ギター/シンセサイザー)、Iwamoto(ドラムス)からなる4人組バンド。