ポルトガルを代表する音楽ファドに関する様々なアーカイヴを持つリスボン市立ファド博物館が有する音楽レーベル〈Museu do Fado Discos〉。現在のファド・シーンを世界に伝えるこのレーベルからのリリースであるが、一般的なファドのイメージとは距離を置いて聴いていただきたいのが本作。伝統音楽へのリスペクトを感じさせつつも様々なスタイルを消化した音楽性で、ギター、ハープ、コントラバスといった弦楽器のみのシンプルな構成で聴かせる。哀愁や癒しの雰囲気を持つ楽曲と美しい弦楽器の旋律に心奪われる一枚だ。