役作りで減量するというのはよく聞く話だが、主演マシュー・マコノヒーの痩せっぷりは痛々しく生々しかった。21キロ。エイズ患者。相棒役のジャレッド・レトも18キロの減量。やはり痛々しくチャーミングなゲイだった。2人は今作でアカデミー賞主演男優賞と助演男優賞を受賞。ある日余命宣告された男が治療薬をめぐって製薬会社や国と戦う。「死ぬことへの恐れ」や「なぜ自分が」という否定から始まり、それが「生きるため」という目的に変わっていく。その目的を果たすための無茶な行動が実際に社会を動かしたという実話。後味は清々しいが、いろんな問題は結局なにも解決していないという現実を突きつけられる。