小坂忠と言うヴォーカリスト、歌だけでなくこんなに文才がある事を初めて知った。この本そのものは以前に発刊された本とキリスト教機関紙に発表されたコラム、細野晴臣との対談、インタヴューなどを奥様が主になってコンパイルした物で、内容としては被るものもあるが細かい部分が補強されている所もある。彼を語る上でキリスト教は切っても切り離せない。牧師にまでなったのだから。その熱い訴えは字数を制限された短いコラムでも十分すぎるほど迫ってくる。正直な話、不信心者の自分には辟易としてしまう程だ。装丁の写真と昔のヒッピー時代の写真を見比べてみると晩年の顔の素晴らしさに驚かされる。