チェロの弾き語りという稀有なスタイルで故郷のキューバや中南米の音楽を華やかにポップに表現してきたアナ・カルラ・マサの3作目は管楽器、アコーディオン、ピアノ、パーカッションとドラムから成るクインテット編成という初の大所帯でのレコーディング。これまでチェロひとつで模索してきた様々な表現方法や育んできたイマジネーションが存分に発揮されたカラフルで賑やかな作品となっている。“Bahia”をはじめ前作から4曲が改めて取り上げられ劇的な再解釈が施されているので聴き比べも楽しんで頂きたい。まだまだ彼女のアイデンティティー、ラテン・アメリカ音楽の探求は終わらない。